研究課題/領域番号 |
61440065
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 正典 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (20088537)
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研究分担者 |
渡部 智 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (40167127)
林 寿郎 (林 壽郎) 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (90026089)
琴浦 良彦 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (50127081)
筏 義人 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00025909)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | 人工関節軟骨 / PVAハイドロゲル / 潤滑性能 / 衝撃緩和効果 / 摩耗 / 新しい表面置換型人工関節 / 潤滑 / 摩耗特性 / 新人工関節 / 人工材料の摩耗特性 |
研究概要 |
現在の人工関節では関節軟骨および軟骨下骨は大幅に切除され、軟材料としては全面的にポリエチレンPEに依存しているため、生体関節の具備している衝撃緩和効果、低摩擦および低摩耗が得られ難く、ゆるみの合併症を来たしやすい。私達は関節軟骨に類似した物性を有する人工関節軟骨材料を開発し、関節表面の病変部のみを置換する新しい人工関節を開発しようとした。 1.人工関節軟骨として開発中のPVAハイドロゲルは一定、反復荷重時の変形特性は軟骨に似ているが、当初はその強度が弱い欠点があった。高分子量のPVAを用い、含水率を70%から15%に迄減じ、ゲル化過程を改良することにより、引っ張り強度は17MPAに達した。 2.本材料とガラス板の間に形成される液体膜の厚みと液圧を荷重後測定した結果、PEに比し遙かに厚く、長時間液膜の保持されることがわかり、潤滑性能の優れた材料であることを確かめた。 3.Pin-on-disc及び往復動摩擦試験機による摩耗試験で含水率20%のPVAゲルはPEより摩耗の痕跡は少なかった。(摩耗量はクリープ変形量も含まれる。) 4.衝撃荷重を瞬間的に加え、材料下面に設置したload cellにより、応力の経時的変化を検索した結果、本材料のpeak stressはPEより少なく、stressの得られる時間も長く、衝撃緩和効果の優れた材料と云える。 5.PVA液相の間に多孔性アルミナの孔内に含浸させ、ゲルの際に両者の力学的結合を得て、人工骨軟骨複合材料とすることに成功し、その剪断応力も2.2MPAとなった。本材料および含侵させた多孔性アルミナを家兎膝関節内に1年間インプラントした結果、関節材料として適合性良好なることを確かめた。以上の結果から本材料は人工関節軟骨として極めて有望であると云える。
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