研究課題/領域番号 |
61440090
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 京都産業大学 (1989) 京都大学 (1986-1988) |
研究代表者 |
山科 郁男 京都産業大学, 工学部, 教授 (70025675)
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研究分担者 |
菅原 一幸 京都大学, 薬学部, 助手 (60154449)
船越 育雄 京都産業大学, 工学部, 教授 (10025702)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
29,700千円 (直接経費: 29,700千円)
1989年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1987年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1986年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | LOWE症候群 / ヌクレオチドピロホスファタ-ゼ(NPPア-ゼ) / ホスホジエスタラ-ゼI / 活性硫酸 / NPPア-ゼの全一次構造 / NPPア-ゼのゲノムDNA / 遺伝病における酵素活性の昂進 / 酵素活性の昂進と転写・翻訳 / ロー症候群 / ヌクレオチドピロホスファターゼ / 先天性代謝異常 / ヌクレオチドピロホスファターゼ遺伝子 / ヒト繊維芽細胞cDNAライブラリー / ヒト線維芽細胞cDNAライブラリー / Lowe症候群 / 糖タンパク質 |
研究概要 |
重篤な遺伝性疾患であり、わが国を含めて全世界に相当数の患者が発生しているLOWE症候群について全世界で唯一の本格的な分子生物学的病因解明研究を行なってきた。患者の皮膚繊維芽細胞を用いた生化学的研究から本症患者細胞ではグリコサミノグリカン代謝、とくに硫酸化に異常が見出された。この異常は硫酸基の供与体である活性硫酸(PAPS)の細胞内濃度が、これを分解するヌクレオチドピロホスファタ-ゼ(NPPア-ゼ)の活性の昂進によって著しく低下するためであることが明らかとなり、本症の生化学的病因はNPPア-ゼ活性昂進の機作を解明することによって明らかになると推定された。 NPPア-ゼは、従来から知られている、ホスホジエステラ-ゼIと同種のものである。ヒト胎盤から、単クロ-ン抗体の使用を含む、効率的な精製法によってNPPア-ゼは均一状態にまで精製された。抗体を用いる解析によって、患者細胞では、正常細胞と同じ酵素タンパク質が活性に比例して増量していることが分った。 酵素タンパク質量の増加の原因を遺伝子レベル、転写、翻訳のレベルで明らかにするため、先ず患者繊維芽細胞を用いて酵素タンパク質に対応するcDNAの作成を行なった。その5′末端をさらに上流に延長して酵素タンパク質の全領域をカバ-するcDNAの塩基配列を決定した。N末端部で膜を貫通し、C末端の広い範囲に亘って糖鎖を有するという特徴をもつ、酵素タンパク質の一次構造が明らかとなった。cDNAを用いてmRNAを解析したところ、患者細胞では正常細胞に比べてmRNA量が多かった。N末端部分からさらに上流の遺伝子構造を明らかにするため、cDNAのほか、ゲノムDNAを単離して解析を進めている。本症が伴性劣性遺伝であることから、cDNAを用いてNPPア-ゼの染色体局在性を調べているところである。
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