研究分担者 |
山本 勉 東京国立博物館, 資料部情報調査研究室, 研究員 (00150037)
金子 啓明 東京国立博物館, 学芸部美術課, 彫刻室長 (90110098)
大久保 純一 東京国立博物館, 学芸部美術課, 研究員 (90176842)
中野 照男 東京国立博物館, 学芸部企画課, 普及室長 (20124191)
松原 茂 東京国立博物館, 学芸部美術課, 主任研究官 (50000352)
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研究概要 |
平安時代(10世紀)に成立した弘法大師信仰は, ことに鎌倉時代以後, 急速に発展, 諸層・各地に広く波及し, 各種の造形芸術を生み出した. この研究は中世における大師信仰に伴う厖大な遺品(絵画・彫刻・書蹟)を調査し, 大師信仰の形態を美術作品を通じて明らかにするのが目的である. この大きなテーマにとり組むため, まずなるべく多くの作品資料の把握, 参考とすべき関連文献の検討などの基本的作業より始め, これに並行して実作品の調査, 資料の収集を行ない, これらの調査, 研究を踏まえて検討を重ね, その成果を報告書にまとめた. 具体的には 1.広く関連文献を収集し, 解読, 検討を加えた. 1.文献に記載の各地に伝存する作品をカード化し, 基本的なデータを記入した. 1.各地の美術館, 博物館, 資料館などに出向し, 調査報告等の情報, および写真を収集した. 1.近畿およびその周辺地域を中心とした遺品を実査した. またこれに加え, 研究分担者の海外出張の際に, アメリカ国内の美術館の関連作品の実査, 資料収集の機会をもつことができた. 1.研究会を催し, 各分野ごとの問題点を検討, また相互の問題の討議を重ねた. 1.以上の調査, 研究活動を踏まえ, 作品目録, 関連文献目録, および研究成果の一端(各分野における小論文3篇)を報告書<様式1>にまとめた. 以上の研究から, 中世における弘法大師信仰に基く美術作品(画像・絵伝・彫像・大師流書等)の様式展開の実情の一端を明らかにし得た.
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