研究課題/領域番号 |
61450017
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 多喜司 広島大学, 教育学部, 教授 (30033541)
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研究分担者 |
有馬 道久 香島大学, 教育学部, 講師 (10151185)
井上 弥 広島大学, 学校教育学部, 講師 (10201336)
南 博文 広島大学, 教育学部, 助手 (20192362)
石井 眞治 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (60112158)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 環境移行 / 人間ー環境システム / 有機体発達理論 / 微視発生 / 個人プロジェクト / 対人ネットワーク / 時間的展望 / 比較文化 / 個人的プロジェクト / 人間-環境システム / 対人関係ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、大学入学と卒業という2つの移行期における人間ー環境関係及び生活システムの再体制化の過程を個人がその時々において持つ個人的プロジェクト、対人ネットワーク、時間的展望という3つの側面より検討した。広島大学62年度新入生35名、4年生50名、卒業生50名、米国クラーク大学新入生30名を対象として、移行前1月前、移行直後、半年後、1年後の計4回にわたり以下の質問紙調査及び面接を継続的に実施した。1)個人的プロジェクト:現在取り組んでいる、あるいは計画している活動の種類、継続期間、関与する人物、各プロジェクトの対する評価とプロジェクトの相互関係、2)対人関係網:個人にとって重要な他者の選定、自分との関係(援助関係、依存関係、自己開示の程度)、および他者間の相互関係。3)時間的展望:時間管理、時間的不足感、目標志向性、固執性に関する質問項目、及び未来・現在・過去への志向性に関する評定項目。主な結果は以下の通りである。1)個人プロジェクト、対人ネットワークとも移行前には、現環境である大学が優勢であるが、移行半年後には、新環境である職場へのほぼ完全な比重の移行が生じている。2)移行直後では、時間展望のスパンが短く、時間に追われ、職場が優位な構造を示すが、半年後には、展望も長くなり、また、職場以外の趣味の領域が生活空間に再登場するようになる。また、プロジェクト間の関係については、移行の前後では、相互の葛藤の度合いが高いが、半漂後には葛藤が減少し構造は安定化に向かう。3)対人ネットワークの日米比較の結果、日本の大学新入生では同質的なメンバーを主体とした現環境優位のネットワークが典型的であるのに対し、米国では、移行前、後のメンバーの両方を含む異質で多様なメンバーからなるネットワークが形成されており、環境移行の様式にも文化差があることを示唆された。本研究の成果は、日本心理学会、国際心理学会議等で発表された。
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