研究概要 |
日本心理学会第147回大会にカルホォルニア大学のラザルス教授を招待し, ストレス対処に関する研究の発表を開くことができた. その折りに対処の仕方についての調査用紙を入手した. ラザルス法と言われる67の質問を用いるものである. 我々はこの質問項目を日本日本語に訳すと同時に, 日本人に試行し日本人に理解できるものに改めた. 更に50問法を試作し, Problem-FocusedとEmotion-Focusedの質問を25問の同数とした. これによって個人のストラテジーの比較を容易にした. 昭和61〜62年を通じて, ストラテジーとモードに関し, 三種の性格検査との関係を調査した. 高校生約1800名を対象としてSG式行動性格検査との相関を求めた. その結果, 既に報告したように, Problem-Focusedストラテジーとかなり多くの好ましい性格・行動傾向と相関をみられた. これに対してEmotion-Fcusedストラテジーとは創造性と人間関係のよさとに相関があったのみであった. 単独の特性項目との関係で逸脱行動傾向をチェックすることはできなかったが, Problem>Emotionの関係は, 一つの手がかりとなると考えられる. 少年鑑別所, 少年院等の資料から特に明白な一般高校生との差を見い出すことはできなかった. 1987年末から高校生800人を対象として, ストレス源との関係及び, SG式行動・性格検査の結果についての再吟味を行っている. 特に問題生徒や非行少年の個々の資料分析を行って, 果してストレス対処の特徴がとらえられるか, 引続いて検討中である.
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