研究概要 |
1.LACEに所属するR.C.HAIGの比較教育研究法としての数学的アプローチを取り上げ,その大綱を明らかにしながら評価を試みた. 具体的に取り上げた研究ストラテジーはつぎのとおりである. (1)ベーズ統計理論と比較研究 (2)カタストロフィー理論と比較研究 (3)オペレーション・リサーチと比較研究 以上の研究成果を日本比較教育学会(於京都大学)において発表し,かつ同学会研究記要に寄稿した. なお,この作業は,比較教育理論または方法論に係わる「新実在論対相対論」論争の枠組の中では,新実在論的基礎論の上にたつ方法論的主張の特色を明らかにしたもので,B.Holmesの方法論に関する批判の一例の研究である. 2.比較教育理論のフレームワークと時間観念の関係について, 基礎的作業を行い,その研究成果を昭和62年第6回世界比較教育学会(ブラジル)第5分科会で発表した. 発表後,討論の経緯を踏まえて内容を改め,早稲田大学教育学部記要に寄稿した. なお,この主題については, B, ホームズと共同研究を行うことになり,次年度以降つぎのようなテーマについて研究を進める. (1).産業革命以降の時間概念とそれ以前の時間概念の比較 (2).時間パラダイムと教育制度との関連の分析 (3)比較報育の観点からみた近代化理論の限界と時間観念の文化的基盤との関連の分析
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