研究分担者 |
藤森 勉 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20019037)
泉 健 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80107995)
柏原 卓 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (40037015)
小山 靖憲 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50031802)
安藤 精一 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (20031825)
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研究概要 |
本研究は高野山及び高野山麓地域を歴史研究・文化研究・山村社会論の三つのパートから分担研究し, その総合化を企てたものであり, 共同研究者たちが従来から試みてきた和歌山県地域(紀州)の地域的研究の一環をなすものである. その一定の暫定的な研究成果は次のようである. 1〈歴史研究〉まず, 高野山領域支配の特徴を中世史と近代史の視点から解明することとし, それぞれ荘園制, 近世大名論のなかに高野山を位置づけるとともに, 両者の連続面にも着目した. また, 高野山を寺内町, 山上都市として位置づける視角から, とくにその土地利用の歴史的変遷の分析を企てた. また, 高野山百姓一揆と戸山新右衛門伝説について, その伝承の形成過程を明らかにできる史料を発掘した. 近代史では地方資本の蓄積状況や自由民権期における地方名望家層の政治的対応を知る資料を発掘し, その発展度の高さを分析した. 2〈文化研究〉万葉集や「三浦家文書」を素材として, この地域における文化・方言のあり方を明らかにするとともに, 童歌の採取を精力的に企てて童歌の地域的分布の状況やその特徴を分析したが, いずれも, 高野山地域の特色を類型的に明示するためには, まだまだ史料の発掘とケーススタディーの積み重ねが必要である. 3〈山村社会論〉高野町・花園村の実地踏査と資料の解析によって, 両地域が過疎山村としての一般的特徴をもつことを確認したが, その具体的分析や高野山との社会的・経済的関連の程度を明らかにするまでに至っていない. 準備的調査研究にとどまった.
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