研究課題/領域番号 |
61450047
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 山形県立米沢女子短期大学 |
研究代表者 |
東海林 静男 (東海林、静男 シズオ) 山形県立米沢女子短期大学, 教授 (00175473)
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研究分担者 |
村田 修身 山形県立米沢女子短期大学, 助教授 (20188329)
亀田 弘 山形県立米沢女子短期大学, 教授 (30189998)
木本 好信 山形県立米沢女子短期大学, 助教授 (00175308)
渡辺 喜勝 山形県立米沢女子短期大学, 助教授 (50004073)
奥野 中彦 山形県立米沢女子短期大学, 教授 (10149875)
KAMEDA Hiroshi Yonezawa Women's Collge of Yamagata Prefecture
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 米沢善本 / 上杉善本 / 御譲本 / 興譲館本 / 瑞龍院文庫 / 林泉文庫 / 端龍院文庫 |
研究概要 |
本研究は標記のテーマのもとに、主として山形県置賜地域に伝来されている「上杉家御譲本」の所在調査とその史的研究によって、近世米沢藩の領民教化策を明らかにし、藩政史の中に位置づけることをめざそうとしたものである。ここでいう「御譲本」とは、当地の著名な郷土史家伊佐早謙が生涯にわたって蒐集した蔵書、すなわち旧林泉文庫のことである。この林泉文庫は彼の没後、遺族から上杉家へ寄贈されたが、上杉家は昭和29年に市立米沢図書館に譲渡した。同図書館が所蔵する林泉文庫はそれであり、それが林泉文庫のすべてであると考えられていた。ところが今回の調査研究によって、それが誤りであることが判明した。龍門図書館には約500点、山形県立米沢女子短期大学には約100点の旧林泉文庫蔵書、すなわち「御譲本」が確認された。しかも龍門図書館では昭和30年にこれらの「御譲本」を上杉家から譲渡されていることも判明した。これら「御譲本」の中には、古活字版をはじめ、和書・漢籍・佛書・朝鮮本など、国内外の善本・稀稿本が多数含まれている。龍門図書館には、このほかに、天童の浄土宗寺院三宝寺が所蔵していた三宝旧奔蔵書約100点、旧山口村(現天童市)の名主伊藤儀左衛門家が所蔵していた伊藤儀左衛門旧蔵書約600点など、瑞龍院歴代の住職が蒐集した古書籍および古文書類が約二千数百点確認された。これらの蔵書には佛書が多いが、その中にも多数の善本・稀覯本が含まれている。伊藤儀左衛門蔵書は点数は多くないが、一村名主として、また地域の知識人として教養を高めるために努力を重ねる姿を髣髴させてくれる。今回調査したものは大部分仮目録を作成し、貴重なものにはファイルに収めた。なお、今回の調査では山形大学・興譲館高校には、「御譲本」の所在を確認できなかったが、今後なお探究を続け、さらに研究を重ね、近い将来その成果を発表する予定でいる。
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