研究分担者 |
中村 仁志 宝塚造形芸術大学, 造形学部, 講師 (00164327)
指 昭博 大阪大学, 文学部, 助手 (90196197)
南 直人 大阪大学, 文学部, 助手 (20181951)
江川 温 大阪大学, 教養部, 助教授 (80127191)
國本 哲男 (国本 哲男) 大阪大学, 言語文化部, 教授 (10029580)
岡部 健彦 大阪大学, 文学部, 教授 (80027945)
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研究概要 |
本研究の成果をまとめるにあたっては, 過去3年間にわたる個別研究と研究解の討論の蓄積に基づいて, 研究代表者を中心に, 各研究分担者が相互に調整を行ないつつ, 報告書の作成へ取りかかった. まず, 代表者が研究課題をかんたんに提示したのち, 東西ヨーロッパの中世から現代までのきわめて広い領域から, 具体的にはロシア, ドイツ, フランス, イギリスの4個ないし地域をえらび, それぞれ最も適切と思われる研究分担者が, 自らの専門知識を生かしつつ執筆にあたった. こうしてまとめあげられた別添の小冊子『東西ヨーロッパの国家と民族意識』は, 本研究の成果の主要部分を含んでいる. (1)「フランス・エトニの形成」(江川温)は, 中世フランスにおける王権を中心とした中央集権化の進展と, ナシオナルは意味でのフランス人の形成を論ずる. (2)「トマト・ワイアットの乱と民族意識」(指昭博)は, イギリス宗教改革の動きとイギリスにおける国民国家形成の端初とが互いに密接な関係の下にあることを明らかにしている. (3)「ロシア人の辺境進出とヤイーク・カザーク」(中村仁志)では, 拡大するロシア帝国の辺境に位置するカザーク(コサック)が, 独立から従属の地位へと転化してゆくことが論じられている. (4)「ビスマルクと『小ドイツ』主義」(岡部健彦)と(5)「ドイツ国民国家と自由主義-1866年フランクフルト・アム・マインの併合をめぐって-」(南直人)とは, 19世紀ドイツ国民国家の成立を, 国家統一を推進したプロイセン及びそのプロイセンに併合された独立都市国家フランクフルト・アム・マインとしう相異なる2つの視点から分析している. (6)「ロシア革命における民族問題」(藤本和貴夫)では, 帝国主義段階における民族問題の複雑な様相を, ソヴエト国家成立期のレーニンの民族理論を中心に論じている.
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