研究分担者 |
重藤 実 東京大学, 教養学部, 助教授 (80126078)
三城 満禧 東京大学, 教養学部, 助教授 (80017475)
宮島 達夫 国立国語, 研究所, 研究室長 (30099915)
池上 嘉彦 東京大学, 教養学部, 教授 (90012327)
岸谷 敞子 東京大学, 教養学部, 教授 (70012490)
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研究概要 |
1.日独両語の基礎語彙を選定し, それぞれの語彙素ごとの記述を, 統語論的に共起関係にある要素のカテゴリーの差を中心に, 以下のやり方で両語の対照記述を試みた. 対応語の決定には, 翻訳対応, 動詞のAktionsartなど多面的観点によった. 品詞がまたがる場合もそれぞれ統一的に扱った. (1)対象は三大品詞に限定したが, 動詞についての記述を中核とし, 形容詞はドイツ語についても用言として動詞と同じ扱いとした. 名詞は用言の名詞化として処理できるものはそこから導き出し同一カテゴリーにより修飾連体成分(Att rihut)を示した. それ以外の名詞も, これに準ずる方式によった. (2)用例の収集, 分類, 組み換え操作に(大型電算機を含めて)電算機を利用した. 用例を基礎語〓に限ったので, 組み換え操作によって, 特定語彙素ごとに用例を集め, 名詞については, 動詞共起成分としてどのカテゴリーの頻度が高いかを統計的に調べることで, 名詞の下位区分に別個の方式が可能なことが明らかになった. 2.基礎語彙の選定については, 種々の従来の資料を検討した. 基礎語彙の範囲内だけの用例は, インフォーマントに頼るが, データベースの大型電算機による処理によるかの二方式がある. 後者を前者で補う方式が実際的であろうが, データベースをどこに求めるべきかが今後の課題として残った. 3.二言語対照記述に有効な各品詞の下位区分を, 動詞については, ある程度行ったが, 名詞, 形容詞についても完成して, それが自すと語野理論に基づく分類と関連づけられることが期待される.
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