研究課題/領域番号 |
61450085
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
土肥 博至 筑波大学, 芸術学系, 教授 (90015800)
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研究分担者 |
菱山 謙二 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (30045067)
上笹 恒 筑波大学, 哲学思想学系, 教授 (00091893)
若林 時郎 九州芸術工科大学, 教授 (30110472)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 混住地域 / 住民意識 / 地域交流 / コミュニティ計画 / 居住者タイプ / 集落類型 / 混住的類型 / 混住ゾーン |
研究概要 |
昭和61年度から63年度まで、3年間継続して本研究プロジェクトを行った結果、得られた主な研究成果は、下記の通りである。 (1)大都市近郊農村地域における混住の状況に注目する時、居住者のタイプ(農家旧住民、非農家旧住民、血縁新住民、来住新住民の4タイプ)の構成状態に依拠して地域を分類する「地域社会類型」が、広域レベルから集落レベルまで、一貫して有効であることを、住民属性、地域交流および住民意識の各側面から明らかにした。この類型は、具体的には〈1〉旧住民型、〈2〉農家新住民型、〈3〉各タイプ混合型、〈4〉新住民集団型、の4類型である。これらは、大都市周辺地域に、同心円状ではなく、市松模様状に分布している。 (2)住民意識の特性について、奥田らのコミュニティ意識モデルを基準に測定したところ、類型別の特徴を把握できた。〈1〉は顕著なコミュニティモデル、〈2〉は新住民の比率が高くなるにつれてコミュニティモデルからアノミーモデルに移行し、新住民比率の上昇が伝統的コミュニティを破壊していく。〈3〉は新住民比率が低くてもアノミーモデルを示し、逆に比率が上昇すると個我モデルに移行する。〈4〉では、弱いコミュニティモデルを示す。これらのことは、混住地域における新旧住民比率が、極めて重要な要因であることを示す。 (3)新旧住民の地域交流の実態をみると、コミュニティの受け皿としての集落の社会的体質ともいえる「むら柄」が、その大きな規定要因である。「むら柄」は拘束力と展開性の2因子で記述できるが、前者が小、後者が大の場合に、もっとも良好な地域交流が実現されることを明らかにした。 (4)最後に、こうした混住地域におけるコミュニティ計画をめざす居住環境整備のあり方について検討し、集落形態とむら柄の組合せによるプロトタイプを設定し、タイプ毎に、新住民の混合のさせ方について考察し整備のための諸条件を明らかにした。
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