研究分担者 |
内山 幸久 立正大学, 文学部, 助教授 (30036066)
手塚 章 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60155455)
田林 明 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70092525)
石井 英也 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (60091881)
奥野 隆史 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10092511)
|
研究概要 |
本研究は, 最近のわが国の農村地域で進行しつつある地域変容プロセスを非農業化現象として把握し, その地域的実態を分析すること, および非農業化現象を, 交通インベーションの普及, 土地改良事業の進展, 農業技術の向上, 土地利用の都市化といった日本全体の社会経済的変化と関連させつつ, 総合的かつ動態的に考察することを目的とした. 昭和61年度においては5名の研究分担者とともに, 山間地域, 水稲生産地域, 近郊農業地域, 果樹栽培地域にサンプル地域を設定し, 主として微視的視点から調査・分析を行うとともに, 統計試料の計量的処理に基づく巨視的な分析を試みた. 昭和62年度には, これらの調査結果をとりまとめるとともに, 研究者相互間で情報を交換し, 討論を重ねることによって全国的な視野からみた非農業化現象の究明につとめた. これらの調査・分析の結果は研究期間中に逐次 学芸誌等に研究発表されまた昭和62年10月にはこれらの成果に基づいて「日本の農村空間」(古今書院)が刊行された. 研究成果の詳細は, 未発表の研究論文および既発表の研究論文の別刷をおさめた科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書と, 上記の出版物で述べられている. 現時点で言えることは, これまで, 「都市化」プロセスとして把握されてきた現代日本農村の地域変容は, しさいに検討すると, 農村や都市に変質していく一直線上の変化プロセスとしては捉えることができず, そこには依然として農村空間特有の性格が強く反映していること, また地域的な諸条件に規定されて, きわめて多面的な形態を呈していること, などである. 今後, 本研究の成果に基づいて, 先進社会の農村空間の動態に関してより総合的な地域増の解明を目指したい.
|