研究概要 |
音楽は時間芸術であるため一過性の情報であるとも言える. 従来, 音楽の演奏分析を行うためには, 聴覚及び演奏能力が十分備わった熟練者による主観的評価しか存在しなかったが, 本研究によるパソコンを利用して客観的にしかも短時間に演奏分析ができるようになった. 今年度の研究では汎用システムとして一般の音楽教育にも利用できるようにハードウェア及びソフトウェアを改善することに成功した. 5.25インチのフロッピーディスクを媒体とする演奏記録システムではピアノの演奏情報をPPモードと呼ぶフォーマットのシーケンシャルファイルで記録するが, 2DDのBASICモードの形式のため一般のMSーDOSのシステムでは利用できない上にMIDIフォーマットでないためMIDIを使う一般の電子楽器やシーケンサーとのインターフェイスが不可能であったが, これをMIDI用のEーSEQモードで3.5インチフロッピーにコンパイルする事が可能になり将来予想されるMIDIネットワークに組み込めるようになった. 4.PASCALでプログラミングされた「演奏評価ソフト」をMSーDOSのEXEプログラムとすることにより一般で利用されているパーソナルコンピュータでも利用できるようにした. 今後の課題として任意のテンポで演奏された場合でも分析が可能になるようにするためアメリカのカーネギー・メロン大学のRoger Dannenberg及びヤマハの向野らが共同開発したダイナミックプログラムによる自動伴奏システムのノウハウを導入して改善を加えたい. 又, 楽譜出力のためのソフトもペダル情報を加え高度な演奏の分析にも耐えられるようにしたい. AーD変換技術を用いアナログ入力の情報を分析するシステムも完成させたい.
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