研究分担者 |
岡本 和夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40011720)
田坂 隆士 東京大学, 教養学部, 助教授 (60012407)
五味 健作 東京大学, 教養学部, 助教授 (20012502)
清水 英男 東京大学, 教養学部, 教授 (00012336)
近藤 武 東京大学, 教養学部, 教授 (20012338)
中村 得之 Univ. of Tokyo, Professor (70012276)
高橋 陽一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (20033889)
藤田 隆夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40092324)
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研究概要 |
本研究においては, 各分野でそれぞれ成果をあげたが, 特に有限単純群及び微分方程式の方面では重要な結果が得られた. すなわち近藤武と田坂隆士は, 24次元のリーチ格子の自己同型群の部分群であるマチウ群M_<24>及びその拡大群2^<12>M_<24>に関するデータ函数を, 良く知られたヤコービのデータ函数で具体的に表わすことに成功した. これはこの方面の研究者に興味を持たれていた問題での成果である. また五味健作は, 標数2型の有限単純群の特微付けに持続的に取組み, 着実に成果を挙げた. 有限単純群の分類理論は, その結果の美しさとうの証明の複雑さが著しい対比をなしている. 五味の研究はこの現状を打開し理論を見通しのよいものとしようという偉大な計画の一環であり, それに重要な寄与をなしたものということができる. 岡本和夫は, 最近再び脚光を浴びつつある非線型の2階代数的常微分方程式であるパンルヴェ方程式の研究を系統的に追求して, 多くの結果を得た. その中でもパンルヴェ方程式の特異点を合続させて行ったときどのような特殊解が得られるかを決定した仕事は興味深く重要なものである. また岡本はハミルトン系の立場からの常微分方程式の研究も行っている. 保型形式と表現論に関する方面では, 清水英男が良い結果を得た. すなわち代数体F上のG=GL_2のアデール群G_A上の保型形式で不変微分作用素の固有函数の作る空間の構造を明らかにしたのである. この空間には尖点形式とアイゼンシュタイン級数が含まれるが, 尖点形式の直交補空間はアイゼンシュタイン級数とその導函数およびその留数で張られることが証明されたのである. リー群と等質空間関係では, 中村得之は射影空間内の部分空間の族のホモトピー型とその合併のホモロビー群を沢正した. 杉浦光夫はユニタリ表現と調和解析(英文)第二版を出版した.
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