研究課題/領域番号 |
61460024
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 久遠 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (30021934)
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研究分担者 |
山中 明生 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (30182570)
浅香 修治 (淺香 修治) 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (00167876)
進藤 善雄 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (10001702)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 二光子吸収 / ピコ秒ポンプ・プロ-ブ法 / ポリジアセチレン結晶 / 非線形レ-ザ-分光 / 擬一次元電子系 / レーザー分光 / 高分子固体 / 非線形光学 / 励起子 / 新機能材料 |
研究概要 |
1.CWモ-ド同期レ-ザ-を用いた、原理的に新しい高感度二光子吸収分光法を開発した。繰り返し80MHZ、ピ-ク出力100W程度のピコ秒パルスを発生する二台の色素レ-ザ-をポンプ光、ブロ-ブ光に用いた高周波変調-ロックイン検出方式によるものである。 2.ポリヂアセチレン結晶の研究のために、より低エネルギ-の測定に適した同様な方式のものを、CWモ-ド同期Nd-YAGレ-ザ-と、その励起による色素レ-ザ-で開発した。 3.これらの装置が正しい機能を有することをCdS標準試料を用いて明らかにした。また、10^<-7>までの小さな吸収量が測定可能な高感度であることがわかった。従来の高出力の単発パルスを用いる方法と比べて、試料を破壊せずに多くの物質で測定可能であり、大きな成果である。 4.さらに、SnO_2、TiO_2の励起子やバンド端の二光子吸収スペクトルを観測し、この装置の有用性を実証し、同時に上記物質の重要な新しい知見を得た。 5.PTS、TCDU-Bなどの良質な単結晶を育成し、開発した方法を用いて二光子吸収スペクトルを観測した。これらのポリヂアセチレンの優れた非線形光学特性を支配していると思われる、Ag対称性の励起子の存在は未だ確証が得られていない。励起子によるピ-クに再現性が必ずしも得られていないためで、より完全性の高い試料が必要なことがわかった。 6.繰り返しパルスNd-YAGレ-ザ-を用い、PTS結晶で二光子励起による発光を見い出した。二光子エネルギ-が理論予測の問題の励起子のそれと一致することから、この事実は励起子の存在を強く示唆している。二光子励起発光スペクトルで問題の解決を図れる見通しを得た。 7.二光子励起ラマンスペクトルの観測に成功し、電子・格子相互作用の重要知見を得た。
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