研究概要 |
本研究の目的は, 可視部に吸収をもつアルカリ土金属Mg,Ca,Ba,Srの酸化物, 塩化物, 水素化物の生成反応をガス・分子線および交差分子線により研究し, 分子線のエネルギー状態の関数として反応断面積を測定する手段を確立する. 1)交差分子線装置によるCa微細構造準位間の緩和断面積メインチェンバー, 拡散ポンプ, メカニカルブースターポンプより構成された交差分子線装置を設計・製作した. 放電励起により準安定状態Ca原子線を作り, これと交差するAr原子線との衝突による微細酵構造準位間の緩和断面積をレーザー励起蛍光法により測定した. 断面積の衝突エネルギー依存性は今後の測定する予定である. 2)超音速分子線中の回転振動緩和過程He-ヨウ素超音速分子線のレーザー励起蛍光(LIF)を分子線に沿って詳しく測定し, 局所温度すなわち衝突エネルギーの関数として準位がら準位への振動回転緩和定数を決定した. これによれば, 超音速分子線中では一般に孤立分子になっていると考えられているが, かなりノズルより離れても緩和が起こっていることが判明した. 3)放電自由噴流によるラジカル分子の生成メカニカルブースターポンプにより排気された放電可能な自由噴流分光装置を製作し, 放電により生成されたC_2,CHなどのラジカルのスペクトルを流れに沿って分光し, その空間分布よりラジカルの生成と緩和に関して有益な知見を得た. そして, 放電自由噴流が反応分子種のソースとして有効であることを確認した. 4)半導体レーザーを用いた状態分析, 温度および電流同調により30nm近く同調できる分光高原を開発し. 分光線の検出に半導体レーザーを用いることが出来ることを確認した.
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