研究概要 |
スタンフォード大学と共同で, 高知大学理学部地球観測所に設置したELF・VLFラジオメータを用いて, 他の観測点であるスタンフォード, ニューハンプシャー, イタリア, ニュージランド, グリーンランド, 北極, 南極との8点同時観測を行い, 以下の点について研究を行った. 1.観測したツィークの波形解析のため, 波源の実際の雷放電電流波形を仮定して, 高速フーリエ・ラプラス変換法を用いて数値計算を行った結果, 観測波形を再現できることを示した. 2.観測したホイッスラーについても波形解析を行い, 計算した周波数分散特性が観測結果によく合うことを示した. また振幅特性は, 人工衛星で観測したホイッスラーの波形によく合う事を示した. 3.観測した群をなすホイッスラーの特性から, 亜熱帯におたるオーストラリア北部の, 磁気共役点付近の雷雲の発生状況や放電の多重性を研究した. 4.ELF帯のシューマン共振周波数を示すパルス状の波形を自動観測するシステムを開発した. これから波動インピーダンスを計算して波源の位置を特定する予定である. 5.宇宙線シャワーから放射される電磁放射について, シャワー観測装置と, ボールアンテナを用いた電磁波観測装置を開発し, 予備的観測を行った. 6.ボールアンテナを用いた地中電場観測装置を開発した. これを用いて市街地の地中電場の特性, 特に電車からの電磁ノイズについて詳しく調査した. これから地中電気伝導度を推定した. 7.地震発生時のELF・VLF電磁ノイズを調査した. その結果, 地震に関係して2種類のノイズが観測これていることが判った. 1つは観測所への地震波到達によってELFアンテナが振動することによるもの, 他の1つは, 地震の時及びその前後2-3時間の間に震源地付近で発生したものである. 8.電磁シールド室内で, 圧力を加えた岩石に衝撃を与えたとき放射される電界成分を観測した. 9.四国地方における最近の地震活動について調査した.
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