研究分担者 |
岡田 和之 近畿大学, 理工学部電気工学科, 助手 (70177046)
橋新 裕一 近畿大学, 理工学部電気工学科, 助手 (90156266)
椿原 啓 近畿大学, 理工学部電気工学科, 講師 (00140294)
林 光澤 近畿大学, 理工学部電気工学科, 講師 (70029213)
久保 宇市 近畿大学, 理工学部電気工学科, 教授 (80088335)
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研究概要 |
本研究の目的は, セラミックスに紫外線領域のレーザー光を照射して, 種々の原子を注入し, 表面の改質を試みるものである. この方法によれば, 金属原子を注入することにより絶縁体であるセラミックスの表面に導電性をもたせたり, 表面に特殊なコーティング膜を形成したりすることができる. 本研究で取り扱うセラミックスは, 酸化物(SiO_2,A1_2O_3)及びバイオセラミックスであるCa_<10>(PO_4)_6(OH)_2である. 注入する原子は, 前者ではAu原子, 後者ではAg,F原子である. Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2はヒトの歯エナメル質を用いたが, この場合は紫外線領域のレーザー光は使用せず, 炭酸ガスレーザー光を使用した. 主な研究成果は以下の通りである. 1.石英(SiO_2)及びアルミナ(A1_2O_3)の場合 Auをおよそ500A真空蒸着した後, 波長248nmのエキシマーレーザー光を照射して次の結果を得た. (1)照射レーザー光のエネルギー密度が0.5J/cm^2以下の場合, 最大注入深さ, 注原子量共に1.0J/cm^2以上の場合より大きくなる. (2)注入されたAu原子の総量を, 表面近傍にあるもの(N1)と内部にあるもの(N2)とに分離すると, N1/N2はエネルギー密度によって変化する. (3)上記の結果は可視及び赤外のレーザー光を用いた場合の結果と異なる. 2.ハイドロキシアパタイト(Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2の場合 ふっ化ジアンミン銀(Ag(NH_3)_2F)を塗布した後, 波長10.6μの炭酸ガスレーザー光を照射して次の結果を得た. (1)F原子はレーザー末照射の場合に比べて最大約1.7倍深い場所まで注入され, エナメル質の耐酸性とFの取り込み深さが強く関連している. (2)Au原子は表面近傍に注入はされるが, 一部の原子はAg20の形で表面より脱落する.
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