研究分担者 |
目黒 多加志 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 研究員補 (20182149)
土居 功年 理化学研究所, 国際フロンティア研究システム, 研究員
瀬川 勇三郎 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 研究員 (30087473)
岩井 荘八 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 研究員 (40087474)
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研究概要 |
初年度は, 既存の有機金属化学気相成長(MOCVD)装置を利用して光照射MOCVDに関して基礎的データを蓄積すると共に, MOCVD装置のソースガス供給をパルス化可能に改良し, スイッチチングMOCVDに対応できるようにした. 次年度は, レーザー光照射ならびにソースガス供給をパルス化したスイッチングレーザMOCVD法を用いて, ガリウム砒素の単原子層制御結晶成長(ALE)の成長機構の解明, さらにレーザ光を走査することによるパターン化ALEへの応用の可能性に関して検討した. 結果として, アルゴンイオンレーザ光をガリウム砒素基板上で走査することにより, パターン化ALEの条件を確立した. 通常のレーザCVD法では成長速度はレーザ照射密度に比例して増加するため, レーザ光の重なり合った領域の成長膜厚は他の領域と比較して厚くなり, 表面の平坦性が失われてしまう. 一方, レーザALE法では成長表面における成長の自動停止機構により, 成長速度がレーザ光照射密度に対してほとんど〓定であるため, レーザ光の重なり合いの影響は受けず, 完全に制御された平坦な成長表面から得られることが分かった. また, 照射レーザ光の成長を変化させることにより, ALEに与える影響に関して検討し, 成長機構の解明を行った. その結果, 紫外レーザ, 可視レーザでは単原子層制御成長はほとんど同様に得られたが, 赤外レーザ照射では単原子層成長は起こらなかった. この原因として, 1)表面吸着種におけるレーザ光の吸収, 2)基板におけるレーザ光の吸収, の可能性が考えられるが, 同様な結果はカリウム砒素に限らずアルミ砒素成長でも観察されけおり, 両者のエネルギーはキャップと照射レーザ光の光子のエネルギーの関係から, 上記1)の過程か主と考えられる. さらにこれらの結果を基に成長表面における表面過程のモデリングを行った.
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