研究概要 |
本研究は, 高精度部品の三次元測定法とデータ処理技術の開発を目的とし, 当初の計画どおり, 以下のような成果が得られた. 1.高精度三次元測定システムのハードウェアの構築 既設の空気式精密XYテーブル(ロ150mm, 分解能0.1μm)の精密位置決め機構を整備し, 所定の性能を得ることが可能となった. Z軸方向は, 高精度センサーとそれを高分解能(0.01μm)で移動させる機構を安全させた. この機構は, センサーをXY平面上で移動させたとき, 被測定物表面に沿って動くセンサーが測定レンジ内に常にあるように, Z軸を駆動するもので, この両者の和が, 三次元空間内でのZ座標値となる. 2.センサーの干渉チェック 常にセンサーの測定レンジ内にあるようにZ軸を制御する機構となっているが, 非常に段差の大きい被測定物に対しては, Z軸制御が追いつかない場合がある. これに対して, コンピュータが追隨速度の限界を判定し, XY送りの制御を併用するようにした. 3.測定データの圧縮と形状精度評価 三次のスプライン関数のあてはめについて, そのクライテリオンとしてトレンドが最も適していることを確認した. そして, アルゴリズムの最適化を図った結果, CPU時間が短縮でき, データ量も1/4以下に圧縮可能となった. 一方, 円筒や円すいテーパなどのような決定論的な形状精度評価を対象とした. いずれも, 従来技法が困難とされきてたものであったが, 小記憶容量のコンピュータでも処理可能なソフトウェアを開発することに成功した.
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