研究分担者 |
石田 幸男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10092991)
安田 仁彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023166)
櫛田 武広 名古屋大学, 工学部, 助手 (90109281)
渡辺 崇 名古屋大学, 工学部, 助手 (40182927)
山下 新太郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20023236)
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研究概要 |
知識工学の機械工学への応用性を探る目標で, 流帯工学の初等問題を具体的に取り上げ, その解決過程の解析, シミュレーションを試みた. 初年61年度は, 特に時間, 位置, 状態などの変化がない問題として, 物性値問題を対象に選んだ. この領域の問題が持つデータは(1)ある"もの"に付随したデータ, (2)物理量間の関連を支配する関係式として与えられるデータ, (3)陽には与えられない常識的, 暗黙的データに分けられる. ここでは, これらのデータを互いに利用しつつ, 求めた量から既知の量に至る関係, つまり解法を自動的に求めるシステムを構成した. また同じ静的問題に限り, 問題解決のためのコンサルテーションシステムを, プロダクションシステムにより作成した. これは与えられた量と求めたい量を見比べつつ問題を解決する人間の思考, 推論過程を考察した上で, そのシミュレーションを行うことにより実現した. ここでは特に, この種の問題で必要となる推論制御機能の強化をはかることにより, システムを利用者の対話をとおして解決を行う. 62年度は, 扱う問題領域を拡げ, 複数の部分問題の世界と, それらを関連付ける上位の世界から全体問題が構成されるような場合を含めた. この例には運動量交換があり, 交換前後の各運動状態とそれらを結びつける運動量の交換法則から成り立っている. このため, 複数の知識源の推論がお互いに独立で, かつ利用しあいつつ解決を行うための多重推論機構を実現し, すなおな問題表現ができ, また実際問題解決において有用であることを示した. また, より柔軟なインターフェイスとして, 日本語入力機能をとり上げ, この分野の問題表現に対し構文解析, 意味解釈を行い, 計算機内部表現に変換するための機能の検討およびその設計, 構築を行った.
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