研究分担者 |
新里 寛英 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (30101463)
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (20179550)
小山 繁 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (00153693)
藤井 丕夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (90038589)
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研究概要 |
本研究で得られた主な成果および今後の検討課題等を列挙する. 1.加熱位置の温度上昇の局所熱伝達係数への依存性, すなわち本測定法の感度は, 伝熱面の温度伝導率によって異なる. 温度伝導率が最も小さいアクリル板では, 加熱熱量の約半分が対流によって放熱されるため感度が比較的高い. 一方金属では, 伝熱面への蓄積が支配的で感度は著しく低下する. なお, ふく射伝熱が本測定法の感度に及ぼす影響は小さい. 2.温度上昇の経時変化を定量的に表す種々の特性値の内で, 加熱開始から一定時間までの温度上昇曲線の積分値は, 他の特性値に較べて局所熱伝達係数への依存性が大きく, 測定の感度が最も高い. この積分値の測定精度を2%としたとき, 局所熱伝達係数の予測精度はアクリルの場合で約10%である. しかし, 金属では80%以上となり, 現状の測定機器の精度では, 本測定法を厚みがある金属に適用することは困難である. 3.パソコンを用いた測定の自動化および三次元可動装置の使用によって, 温度上昇の経時変化およびレーザー熱流束の正確な測定, また, レーザー加熱位置と赤外線温度計の測定視野との相対的位置関係を高精度に調整することが可能となった. そして, 石膏で作られた平板状伝熱面を用いた強制対流熱伝達実験から, 本測定法により熱伝達係数を±20%以内の精度で測定できることが確かめられた. 4.本測定法により局所熱伝達係数の簡易予測法として汎用化するためには, 赤外線温度計の高精度化と光ファイバーの使用により, 装置の小型化と操作性の向上を図る必要がある.
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