研究概要 |
1.表面の振動によって騒音を発生している機械装置に近接して遮音板を設置した場合の音場を計算するプログラムを作成した. 計算には有限要素法と境界要素法を併用した. 61年度には, 振動板と遮音板の間の空間の周囲が剛壁によって閉じられていて騒音は遮音板を通してのみ外部に放射される場合を取り扱った. 62年度には, 振動板と遮音板との間の空間の周囲が開いていて, 騒音が周囲からも外部に放射される場合を取り扱った. また遮音板の振動板側に吸音材が貼付されている場合の吸音材の効果も計算できるようにした. 61, 62年度とも解析解の得られている場合について計算を行い, プログラムの妥当性を確認した. また実験を行い, 実験結果と計算結果の比較を行った. 両方の結果はよく一致した. 2.騒音振動源を格納した遮音箱の表面から放射される騒音の固体伝播音成分と空気伝播音成分の大きさを推定する方法を研究した. まず, 騒音振動源を遮音箱に取り付ける点の加速度の測定値から固体伝播音を推定する理論を研究した. つぎに実験を行って理論の妥当性を検討した. 実験に用いた遮音箱は型鋼で枠組みを作り, それに鋼板を取り付けたものである. 騒音振動源は発生する騒音と振動の大きさが必要に応じて設定できるものを試作した. 騒音振動源を運転したときに遮音箱の外部で測定される騒音のうちの固体伝播音を本研究の方法によって推定し, 遮音箱から浮かして支持した場合の空気伝播音の測定結果と比較して, 本研究の方法の妥当性を検討した. また併せて騒音振動源から遮音箱に作用する加振力を推定する手法についても研究した.
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