研究概要 |
放電現象は, 多くのパラメータを持った確率的現象であり, 湿度は, 放電の進展に影響を与える重要な因子の一つであり, 多くの研究者によって, 放電と湿度との相関に関する研究が行なわれている. 過去における科学研究費の補助を得て行なった, 放電現象と湿度との相関に関する研究により, 放電現象と湿度との関係に関して, 新たな知見も得られたが, 今だ不明の点も多い. これらの点をふまえ, 湿度コントロールを行なった実験箱中で, 針一平板電極を使用し, 5〜50mmのギャップ長における, インパルス放電路の進展と湿度との関係について, イメージコンバータカメラ, イメージインテンシファイアを用いた光学的観測, ならびに, 放電遅れ時関の測定を行なった. 本年度は, 昨年度の成果を基に, 放電の各過程について詳細な観測を行ない, 多くの成果が得られた. 実験結果については, 未整理の部分も多いが, 放電路の進展に対する湿度の影響については, インパルス放電においてはコロナの進展過程において, その影響が最も強く現われることが判明した. 2年間にわたる実験結果については, 未整理の部分も多いが, 本研究により多くの実験結果が得られ, また, これらの中には, 新たに詳細な実験研究を行ない解明すべき点も多く含まれている. 今後は, 得られた実験結果につき整理, ならびに検討を早期に行ない, 放電路の進展と湿度との相関の解明の一助としたい.
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