配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
有機化学技術の発展により優れた高分子絶縁材料が生み出され, 広く電気電子機器の絶縁や構造材料に使用されている. 絶縁性が著しく優れている材料に直流高電界が印加されていると電荷が蓄積される. このことは経験的にわかっているが, それを正しく測定する手法を我々は持っていなかった. 最近になり, その電荷分布を知りたい要望が多分野で起り, 分布測定が試みられている. 我々のグループでは, パルス静電応力法を開発できたので, 次のような点について研究を進めて来た. (1)蓄積電荷減衰の温度依存性. 電子線ビームをPMMA中に照射して, 電荷を蓄積させる. その電荷の漏れは熱的励起に強く依存しているので, 電荷減衰の温度依存性を調べている. 実験の途中であるが, ガラス転位温度近くの温度になると電荷の漏れは著しくなる結果を得ている. (2)高電界印加による電荷注入の観察. 絶縁材料に高電界を印加すると電極から電荷の注入が起こる. この電荷注入の経時変化をパルス静電応力法を使って測定を開始した. 直流高電圧の電力ケーブル内の空間電荷の形成を観察したい要望が強いためである. (3)データプロセシング技術の開発. パルス静電応力法による信号は直接に電荷分布を示すことはできない. それは検出素子の伝達関数が一定でないためである. そこで伝達関数をあらかじめ測定してデコンボリゥションにより電荷分布を算出している. このデコンボリゥション技術は一応完成した.
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