研究概要 |
通信回線を利用した文書・画像検索サービスにおいては, 蓄積, 伝送および検索の面から効率的なシステムの構築が望まれる. さらに, このようなシステムにおいては, データベースへの画像登録の方法もより, 効率的かつ簡易であることも必要となる. このような観点から, 本研究では, 画像データを多角的領域などの図形要素で表現する手法を開発することにより, 蓄積, 伝送, 検索の面から効率的であるばかりでなく, 対象とする画像の図形要素への変換も自動的に行い, 人手を介さずにデータベースへの画像入力を可能とする方法を開発した. 本研究では, まず, 情報論的なアプローチにより, 対象画像を図形要素に変換する手法を開発した. また図形要素型で表現された画像を階層構成とすることにより, 領域の包含関係を利用した効率的な符号化法および階層的伝送法を提案した. 提案した方式では, まず, 対象とする自然画像を木探索ベクトル量子化などの手法を用いて8ないし16色程度の限定色画像に変換し, これを符号化対象原画とし, 出現色の頻度順位に基づいて色統合を再帰的に行うことにより, 階層構成化する. 次に階層構成化された限定色画像の領域分割を行い, 上位の階層から領域面積の大きな順にコマンド化して伝送することにより多色画像においても領域間の包含関係を利用できる手法を開発している. より具体的には, CCITTのデータシンタックスIIIで用意されている図形コマンドを用いて基礎的な符号化シミュレーションを行っている. さらに, 情報論的アプローチとは別に, 知的手法を本研究に導入する基礎段階として, 動物体をフレームとして表現する手法について検討した. これらの結果は電子情報通信学会および画像電子学会の全国大会などに発表済みである.
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