研究分担者 |
中尾 光之 東北大学, 情報処理教育センター, 助手 (20172265)
吉岡 良雄 岩手大学, 工学部, 助教授 (20113871)
堀口 進 東北大学, 工学部, 助手 (60143012)
川添 良幸 東北大学, 情報処理教育センター, 助教授 (30091672)
重井 芳治 東北大学, 工学部, 教授 (30124580)
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研究概要 |
人間の脳構造からヒントを得て, 真の知的計算機の基本モデルを構築することを目的として, 昭和61年度と62年度に亘り, "頭脳構造計算機の思考的機構に関する研究"を行ってきた. 今回は総じてこれまでの研究成果の概要を述べる. 計算機の見掛け上の思考を実現するためには, 予めアルゴリズムに従ったプログラムを計算機に入力しなければならない. 本研究においても, 思考の機構が解明されていない現在, 思考機能を与えるためにはプログラムに頼ることになる. しかし, 本頭脳構造計算機の構造が, 大脳における情報処理の論理的機構から誘導される物理構造をとっているため, 脳の情報処理からのヒントを大いに導入することが考えられる. まず, 頭脳構造計算機の思考的機構を考えるにおいて, 汎用パイプラインを核とした関数型言語FPのグラフ簡約マシンを研究の中心とした. 関数型言語FPはプログラミングを行う場合, 人間の思考を高度に反映する. その言語が計算機に理解できる言語FFPに変換される過程は, 思考を形成する機構に深く関係すると考えられる. つぎに, FFP言語を理解する頭脳構造計算機のハードウェア設計を思考的機構の立場から行い, その構築を試み, 完成に至った. また, 本計算機システムのソフトウェアの設計並びに製造を完了し, 本計算機システムが機能的に頭脳構造計算機として稼動するに至った. また, 本計算機の評価をも含め, 思考の対象を広範囲に広げる意味で, 種々の問題を解く応用プログラムを作成した. そして, イメージ処理を行う機構を表現する道具としてのコンピューター・グラフィックスの開発を行い, 鮮明なリアルタイム性を有する映像を実現することが可能となった.
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