研究概要 |
本研究による成果の概要は次の通りである. 1.リアルタイム方式の測定時間の評価 観測波形の繰り返し周波数が十分低く, 測定時間が繰り返し周期にのみ依存する領域では, リアルタイム方式の測定時間はストロボ方式のM分の1に短くなることを明らかにした. ここで, Mは波形を構成する位相点の数である. 2.2次電子検出系の時間分解能の評価 電子軌道を解析することにより, 主として放出2次電子の走行時間差に基づく時間分散によって, 検出系の時間分解能が制限されることを明らかにした. 本研究の検出系では, これによる制限は8nsである. 3.電位コントラネト信号検出特性の評価 バイポーラIC内部の電極上のパルス電圧波形を実測し, 電位コントラスト信号検出特性を評価した. パルス電圧変化が, 繰り返し周期に比べて非常に小さく領域(パルス立ち上がり時間1ns, 繰り返し周期20mn〜0.1ms)おいても, 時間応答10nsでパルス波形をリアルタイム計測できた. 3.1/64分周プリスケーラ・バイポーラディジタルICへの応用 繰り返し周波数10M-Hzで動作する1/64分周プリスケーラの入力波形(TTLレベル)と出力波形(振幅0.4V)を時間分解能10nsで測定し, リアルタイム計測システムの有効性を示した.
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