研究概要 |
研究の目的: 舗装に発生する応力ならびに歪みに対し, その力学的解析を容易にするために新たに開発したSAS-BISARシステムを利用し, 舗装構造に発生する応力歪みを各種の軸配置を持つ車両について計算し, これらを利用して, 車輌走行条件下におけるアスファルト混合物の動的応答と疲労破壊性状を求めた. 研究の成果: a.車輌配置, タイヤ配置, 輪荷重, 使用空気圧の異なる各種の車両について, 自動車-タイヤー舗装の相互作用に関する基礎的な調査並びに検討を行った. b.先に調査した結果に基づき, SAS-BISARシステムを用いて, 1軸載荷, 2軸載荷, 3軸載荷など各種の載荷条件での, 舗装体応力, ひずみの計算を行い, それらの車両が舗装に及ぼす影響を明らかにし, 車両間でその差が顕著であることを明らかにした. c.各種載荷条件でのアスファルト混合物について実験を行い, 載荷時間, 複輪・タンデムを想定した試験条件の下で, 材料の動的応答の実測・解析を行い, その応答として得られる変形が条件により極めて大きく変化することを明らかにした. さらにここでは走行速度の影響をも明らかにした. d.各種の条件下での材料の疲労試験を行い, 荷重の変化, 走行速度の変化, 車頭間隔, レスト時間等を考慮にいれた疲労試験を行い, それらの影響を明らかにした. ここでは車軸数が増すにつれ材料の残留ひずみの累積が拡大し, 顕著な影響が現れることが明らかになり, さらに車両の走行速度が小さくなった場合も同様の結果が現れることが明らかになった. 以上の研究により, アスファルト混合物の車輌走行条件下における動的応答と疲労破壊性状を明らかにすることが出来た.
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