研究分担者 |
佐野 郁雄 京都大学, 工学部, 助手 (20127088)
青木 一男 京都大学, 工学部, 助手 (20111916)
大西 有三 京都大学, 工学部, 助教授 (30026348)
嘉門 雅史 京都大学, 工学部, 助教授 (40026331)
田村 武 京都大学, 工学部, 助教授 (30026330)
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研究概要 |
擬似過圧密度では, 年代の経過とともにセメンテーショが卓越し, 各粒子の結合が強固になるとともに構造単位ごとの結合も強くなっている. これらの様子を大阪湾沖積粘土層および数種類の年代の異なる洪積層粘土を用いて, 走査型電子顕微鏡(SEM)により粒子構造の観察を行いその特徴をとらえた. 特に, 底生生物のふん痕(ペレット)の出現頻度に関するし深度分布と土粒子構造骨格に与える影響について検討を加えた. また, この大きさの構造単位に注目し, セメンテーションの発達状況について微視的観察を行った. また, これから予想される液性限界の減少と粒径加積曲線が粒径が大きいほうにずれることも, 物理試験を行うことにより明らかになった. さらに, 自然状態では, セメンテーションの発達は非常に遅い反応のもとで進行するため, 土の硬化をある程度速く反応させるなど反応速度を制御することで人工的にセメンテーション効果を与えた試料も作製し, 同様の効果があることを確かめた. つぎに, 力学的特性を調べるために電顕装置に内蔵した超小型位一面せん断試験機により, 擬似過圧密土のせん断時の粒子配向の変化をとらえ, 同時にせん断帯の形成とセメンテーションによる強度発現の機構との関連性をある程度明らかにした. さらに, 上述した人工粘土を用いて三軸圧密非排水せん断試験, 一次元圧密試験を行い, セメンテーションの発達による時間硬化の影響について定量的な変化をとらえた. しかし, 微視的研究および土質力学的研究の各項目の分担課題を総合し, 経年過程を有する擬似過圧密土の構成関係を樹立するまでにはいたらなかった. よって, 今後, 載荷除荷過程を経た通常の過圧密土との差異を調べ, あわせてこの種の地盤の設計パラメーターを合理的に決定する手法を提案することが残された課題である.
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