研究分担者 |
武市 靖 北海学園大学, 工学部, 助教授 (80128818)
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
西村 浩一 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10180639)
成田 英器 北海道大学, 低温科学研究所, 講師 (20001662)
成瀬 廉二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002099)
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研究概要 |
積雪地域の冬の路面管理において, 路面積雪の処理はもっとも重要な課題である. しかしながら, 路面積雪の構造や物理特性については基本的な点でも多くの未解決の問題が残されているのが現状である. 本研究では路面積雪の多様性を考慮し, 可能な限り多数の実際路面で積雪を調査し, 将来の路面積雪人工制御のための基礎資料を得ることを目的とした. 主な研究項目は, 路面積雪の構造, 路面積雪の物理的性質, 路面積雪の消耗過程, 路面積雪の熱特性, 等である. 以下に得られた結果を要約する. 1)路面積雪の構造と物理的性質は, 気象条件のみでなく車輛の通行や除雪等の人為的影響を強く受けるため, 場所的にも時間的にも変動が大きい. しかし, 構造的特徴から路面積雪は合計13種類に分類された. 2)路面の新雪は車輛の通行によって速やかに圧密され, 圧雪に変化する. 乾き圧雪の密度は500〜550kg/m^3の範囲にある. 3)表面で融解が起る時には、融解水の浸透、再凍結により、高密度(600〜800kg/m^3)の硬い圧雪や氷板が形成される。 4)路面積雪の熱収支はわだちの形成等の雪氷消耗過程に強く関連している. 今回の熱収支観測の結果, 日射量と反射率が最も重要な因子であることが明らかとなった. また, 雪の汚れや融解との関連も重要である. 車輛の通行によって雪が汚染したり, あるいは融解すると, 反射率が減少し, その結果日射吸収が増加する. この効果は相乗的に相互作用し, 雪の消耗は加速度的に進行する. 路面雪氷の不均質な構造, 特にわだち形成等はこのような効果の結果と考えられる.
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