研究課題/領域番号 |
61460179
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荒谷 登 北海道大学, 工学部, 教授 (60001145)
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研究分担者 |
石田 秀樹 北海道大学, 工学部, 助手 (80168228)
佐々木 隆 北海道大学, 工学部, 助手 (10133711)
絵内 正道 北海道大学, 工学部, 助教授 (00001991)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1986年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 学校暖房 / 実態調査 / 断熱気密化 / 熱損失係数 / 室温変動解析 / 多種トレーサーガス濃度法 / 全室全日暖房 / 体育館の熱環境 / 多室換気 / 熱回収換気 / 多室建物換気量測定法 / 多種トレサーガス濃度法 / 学校暖房実態調査 / 大空間の熱環境 / 上方開放空間 / 連続暖防 / 学校暖房・多室建物換気測定法 / 室温分布 / 室温変動 / 外断熱 / やけ込み防止 / 温度積層 / 校舎の熱負荷分析 / 換気負荷軽減 |
研究概要 |
アンケート調査結果によると、道内の公立高校の70%以上の体育館は全く暖房装置を持たず、30%の学校では給排水の凍結事故を起している。一方教室では、80%以上の解答者が大きな室温変動を意識しており、暑いときには窓を開けて調節をしながらなお、換気不足による空気の汚れを訴えている。 学校は部分・間欠暖房建物の典型で、大容量の暖房設備やストーブに暖かさを求めながら、大きな温度むらと温度変動のなかで教育がなされている。 4階建校舎での換気量と経路の実測結果によると、下階から外気が流入して上階に抜ける温度差換気が卓越し、中間階での換気不足と、上下階での換気負荷の差が顕著となる。ほとんどの学校の窓は気密性が高いとは言えず、夜間を通じての熱損失の要因になっているが、在室者が多いために日中は換気不足となる。夜間の熱損失を減らし、日中は熱回収あるいは加熱空気の供給によって積極的な換気をはかる計画的な換気への改善が求められる。 断熱・気密化・計画換気に加えて、部分・間欠暖房という学校暖房の常識を転換するならば、床面積当りの暖房負荷は在来建物の約1/10程度になり、寒さが除かれた穏やかな環境が得られると同時に、建物の全空間を有効に活用した教育活動が可能になることを、熱解析によって明らかにした。 建物の自然温度上昇に加えて、最低室温を保持する暖房運転によって、燃料費の負担増加なしに凍結事故の心配はなくなる。力づくで暖房した校舎と断熱によって寒さを除いた校舎の熱環境の差異を実測例で明らかにした。 多くの体育館はほとんど断熱がなく、冬は冷凍庫、夏はふく射暖房の苛酷環境にあり、忍耐力を養うよりも怪我の恐れがある。汗をかかない運動から汗を流す運動へ、寒さの克服から寒さに親しむ感情を育てる教育への転換が求められる。熱容量と断熱力に富む地盤があるだけに、断熱による夏と冬の大幅な環境改善が可能なことを示した。
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