研究概要 |
本研究は, クラスの検索・再利用が容易に行える, オブジェクト指向言語型のためのプログラミング環境の開発を目標とした. まず, 検索を容易にするためにはクラスの特性を分かり易く利用者に説明することでのできるオブジェクトモデルが必要であると考え, 「知人/構成変数モデル」を提案した. そしてこのモデルに基づいたオブジェクト指向言語MOMOとそのクラスライブラリMOMOCLIを開発した. 次にこのクラスライブラリからのクライス検索を支援するためのツールを開発した. この検索ツールは利用者が必要とするオブジェクトとオペレーションについて「知人/構成変数モデル」に基づいて記述した「質問記述」を読み込み, それらのオブジェクトとオペレーションを実現するために利用可能なクラスとメソツドをMOMOCLIから検索して利用者に提示する. 検索はあらかじめ容易された検索ルールに従って行われる. 検索ルールはプロダクションルールの形式によって記述され, 知識ベースに蓄えられている. ルールの中には, 利用者がオブジェクトとオペレーションにつけた名前を辞書でひいて候補を求めるルール, 知人/構成変数モデルによって定義されているオブジェクト間関係のマッチングにより候補を選択するルールなどがある. 検索結果は図で表示され, 利用者はその表示を導ながら, 候補クラスや候補メソッドからの適当なものを選択することがてきる. この検索ツールの他にプログラム編集用ツールとクラスをライブラリに登録するためのツールを開発し, これら3つのツールで本研究で提唱するプログミング環境が構成されている. この環境において, 利用者は自由な語いを用いて質問記述を作成し, 検索ツールを用して検索を行い, 検索されたクラスとメソッドを図的表示によって理解し, 編集ツールによってそれらを修正して目的のプログラムを得ることができる.
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