研究分担者 |
高安 一郎 芦屋大学, 教育学部, 教授 (70003415)
八丈 次良 芦屋大学, 教育学部, 教授 (00164856)
大原 清司 芦屋大学, 教育学部, 教授 (70169043)
西田 泰和 芦屋大学, 教育学部, 教授 (30088679)
小塩 高文 芦屋大学, 教育学部, 教授 (20046676)
川井 良次 芦屋大学, 教育学部, 教授 (70031028)
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研究概要 |
科学技術革新の今日, "生活科学"を家庭生活にかかわる科学と解釈することはすでに当たらない. 科学技術の著しい進展は情報社会化を招き, 市民の日常生活も良かれ悪しかれ近代科学技術の影響を受けるとともに, 広範囲の社会システムの一環として機能しなければならない時代となった. この意味において, 現行の学校教育おける科学教育の中から, 広義の生活にかかわりのある因子を抽出して, 現代に処する生活科学教育の体系を構築することを試みた. まず今世紀後半の科学技術の進展とその社会的背景を認識するために年表資料を作り, またこの間の耐久消費財の普及の推移をグラフ化して, これらに関する考察を加えた. 現行の科学教育は, 原理・法則の暗記学習に終始している傾向があるので, 科学を技術に, そして日常生活具象に結びつける体系として, 「物質・材料」, 「エネルギー」, 「情報」, 「生物・環境」及び「システム」の5分野系列を立て, 小・中・高校における理科教育および家庭科教育(技術・家庭を含む)の教育課程の各項目の中から, 上記の生活科学教育を構成する体系因子を抽出したが, 小学校教育においては「生活」教育として, 中学・高校においては「生活科学」教育としての性格をもたせることが適当と考えた. また現行の家庭科及び技術・家庭科教育は, 実践・体験を重んじるあまりに科学的体系に欠けているので, これを科学教育から生活具象の科学的理解に導く体系に改編する必要がある. 以上の抽出によって, 物質, エネルギー, 生物の分野系列では材料, 効率, 生体についての領域が欠け, また従来の教育課程からは体系的因子の得られなかった情報に関する分野系列を充足するとともに, 全般についてのシステム的思考の育成をはかる教育が必要であることを提唱した.
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