研究課題/領域番号 |
61470009
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
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研究分担者 |
藪下 聡 広島大学, 理学部, 助手 (50210315)
大作 勝 広島大学, 理学部, 助手 (70033884)
斉藤 昊 広島大学, 理学部, 助教授 (00033853)
諌田 克哉 (諫田 克哉) 広島大学, 理学部, 助手 (10169790)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 繰り込み摂動法 / 拡張ヒュッケル法 / Ab Initio法 / ポリアセチレン / ポリアセチレンーソリトン系 / ポリアセチレンードーパント系 / ポリアセチレン鎖間相互作用系 / 分子設計 / 摂動項の変分的解法 / 大行列式の小行列式分割 / 周期性高分子 / 非周期性 / スーパーセルの方法 / ドーパント / ハートリ・フォック法 / 電導性 / ソリトン / 高分子鎖間相互作用 |
研究概要 |
本研究は、昭和61年度、62年度、63年度の3段階に分けて進められた。以下に各年度毎の進展状況を示す。 1.昭和61年度.この年度は、まず、繰り込み摂動法を拡張ヒュッケル法のレベルで定式化し、それに対応するプログラムを作成した。そして、ポリアセチレンの炭素の一個がチッ素原子におきかわった系(いわばソリトンの系)、ポリアセチレン系ードーパント系、ポリアセチレン鎖間相互作用系に適用した。そしてこの各々の系に対する信頼性を、通常の拡張ヒュッケル法による強い結合の近似での計算との比較によって調べ、充分に高いことをたしかめた。 2.昭和62年度.前年度の満足すべき結果を基礎にして、この繰り込み攝動法を、電子間反発積分をあられに含めたAb Initio SCF法の摂動理論へ拡張し、定式化した。また、この定式化にもとづいて、高分子の摂動項をくりかえし解くAb Initio法のプログラムを作成した。このような系に対する定式化およびプログラム作成は、世界で初めてなされたことを強調したい。そして、水素分子が一次元的に配列している仮想的な高分子系に適用し、十分信頼性の高い結果を得たが、系によっては収束に問題のある場合があることがわかった。 3.昭和63年度.前年度の研究の結果、収束に問題があることがわかったので、これを摂動項を部分的に変分的に取り扱う方法、および大行列式を小行列式に分割してよい零次の項を求める方法によって、うまく対応できることを示した。 以上、3年間にわたって繰り込み摂動論を発展させ、体系化に成功し、信頼性が充分に高い結果を与えることがわかった。今後、これを具体的に高分子設計に用いていく予定である。
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