研究課題/領域番号 |
61470026
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
荒木 長男 島根大学, 理学部, 教授 (70028124)
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研究分担者 |
久保 恭男 島根大学, 理学部, 助教授 (40127486)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1986年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 遠心液々分配クロマトグラフィー / 液膜輸送系 / ニトロフェノールの分離 / ニトロフェノールの液膜輸送 / 希土類金属の分離精製 / Di-(2-ethylhexyl)-リン酸 / 分離助剤 / 希土類金属の選択的液膜輸送 / 遠心向流分配抽出法 / 希土類金属イオンの分離精製法 / 希土類金属イオンの液膜輸送 / 光学分割での問題点 / Diー(2ーethylーhexyl)ーリン酸 / 向流分配 / 分離 / 精製法 / 液膜輸送 / 固定相 |
研究概要 |
本研究者らが開発した分離助剤添加型遠心液々分配クロマトグラテァー(CPC)と液膜輸送系との相関性につき研究を行い、新しい分離・精製・濃縮の技術としての発展に繋がる原理を解明することを目的とした。設備は三鬼エンヂニヤリング製CPC-L.L.(Model-NMF)を購入して用いた。 CPCと液膜輸送系との共通点と相違点とを考慮して、相関表を構成した。ニトロフェノール類(ピクリン酸とp-nitrophenol)の水溶液を試料(基質)とし、CHCl_3溶媒中のn-BuOHを分離助剤として、同じ化学構成でCPCと液膜輸送系との挙動を直接比較したところ、両系ともにp-nitrophenolの方がピクリン酸よりもn-BuOHと強い相互作用を示した。その結果、CPCによって等量混合物をNMR的に純粋な両フラクションに容易に分離できた。また、n-BuOHという単純で安価な試剤を用いて分子種の選択的液膜輸送ができることが分った。このことはCPCが新しいタイプの多段液膜輸送系として扱えることを示す。次に、研究を希土類金属イオン(RE^<3+>)のCPC分離と選択的液膜輸送とに拡張した。この場合もDi(2-ethylhexyl)-リン酸(D2EHPA)を分離助剤とし、移動相に塩酸水溶液を用いた系により、各軽希土類金属のCPC分離に成功し、これらの選択的液膜輸送もかなりの程度に可能であることが分った。CPCでも液膜輸送系でも、RE^<3+>とD2EHPAとの相互作用は、抽出系でよく知られている酸・塩基平衡と一致していて、この平衡式に含まれる因子の調節によって、CPC分離の度合も液膜輸送速度も調節できることが明らかになった。即ち、分離助剤添加型CPCの方法は有機及び無機化合物にも広く適用できる。また、CPCからの情報を液膜という新技術系に適用できることの意義は大きい。さらに、光学分割への応用に必要な基礎条件を整理し、母体となる種々の方法を適用する際の問題点並びに考慮すべき点の一覧表を作成し、今後の研究のための指針とした。
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