研究課題/領域番号 |
61470036
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 電気通信大学 (1988) 東京工業大学 (1986-1987) |
研究代表者 |
松尾 禎士 電気通信大学, 自然科学系列, 教授 (30015490)
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研究分担者 |
大隅 多加志 電力中央研究所, 主任研究員 (60114857)
島 正子 国立科学博物館, 主任研究官 (70113420)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 岩塩 / 流体包有物 / 塩水 / 水素同位体比 / 酸素同位体比 / ボールミル / 海洋の進化 / D / H / ^<18>O / ^<16>O / 流対包有物 / 【^(18)O】 / 【^(16)O】 |
研究概要 |
本研究は地球の大気・海洋の進化の追及を目的として始められた。古大気・古海水の「容器」として岩塩を選びその中に含まれている気体・液体を抽出・分析して時代の異なる大気・海水の化学組成および同位体組成を分析することによって、大気・海洋進化の化学像をうることを目的とした。 本研究は昭和58年度に事実上発足していたが、岩塩から流体包有物を抽出する手段としての融解法及び粉砕法の検討に3年を要した。本研究が採択された昭和61年度は粉砕法の目安がたった時期である。それ以降も真空ボールミルの改良を行ない62年度に至って新しいボールミルが完成し、多くの研究成果は主として63年度に得られた。その結果は同時提出の様式8に具体的にのべられている。研究代表者・松尾は昭和63年3月に東工大を定年退職し、6月25日に電通大に再就職した。この間本研究に最も寄与したのは東工大大学院生堀田十輔(現Harvard大学)である。 3年間にわたる本研究で得られた地球化学的結果を要約すると以下の通りである。1)イスラエル、Sedom塩山の岩塩試料中の塩水の水素および酸素同位体比は、死海の塩水のそれと著しく異なり、この事実からこの岩塩は晶出後の再結晶作用のさいに起源の異なる水をとりこんでいる可能性がある。2)米国、カリフォルニヤ州、Searles Lakeの陸水性岩塩中の塩水の同位体比にもとづいて、最近約200万年の同地方の気候変動を推定した。3)モロッコ沖の大西洋の海底推積物中のジュラ紀の岩塩中の塩水の同位体比からこの岩塩は生成された後に陸水との相互作用を蒙ったことが示唆された。 これらの結果は、技術的寄与を含めて冊子状の報告書で詳しく述べるが大気・海洋の進化の研究の緒についた所で、本研究は中止せざるをえない。堀田十輔が米国でこの研究を発展させることを願っている。
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