研究課題/領域番号 |
61470039
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯淺 精二 (湯浅 精二) 大阪大学, 教養部, 助教授 (90029710)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 天然セルロース / アミノ酸ラセミ体 / 光学分割 / 対掌体 / カラムクロマトグラフィー / アミノ酸ラセヨ体 / ラジオクロマトグラフィクレゾリゥション |
研究概要 |
3年間の研究により、19種の天然アミノ酸を含む種々のアミノ酸ラセミ体が、修飾または非修飾の状態で分割できる方法を確立した。これらの成果をまとめると以下の様である。 1.分割にとって最も重要なのは天然セルロースの性質であるが、リンター起源のものがよく、微結晶で傘比重の大きいものが好成績を与えた。光学活性のセルロースを用いているが、光学分割はきわめてデリケートであり、粒子表面が酸などの使用により活性化されていることが結果がよい。これらの成果は、論文とともに特許としても公開され各方面で用いられている。 2.化学合成され、放射性同位体で標識されたアミノ酸ラセミ体が、該方法により分割され純粋に調整できることが判明し、応用研究の緒を拓いた。 3.アミノ酸の分割の程度はその側鎖の大きさに依存している。従って、ジュトロフルオロベンゼンなどでアミノ酸を修飾すると、より大きな分割率が得られ、アミノ酸の種による相違がなくなることが判明した。 4.天然アミノ酸の分割に際しては、一般にL体がセルロースと強い相互作用を示すが、DNP化すると逆にD体が強く作用する。そこでCPKモデルを用いてアミノ酸の型をつくり、分割の機構をモデル化した。この結果、アミノ酸の型が、セルロースによって認識されるために重要な意味をもつことが示唆された。たとえば、LーアラニンはDNPーDーフェニルアラニンと型がよく似ており、従ってセルロース上では対掌体に対し同じように認識されている可能性がある。これらの結果から、光学認識においてもいわゆるkeyclockモデルが提唱されるとした。 該分割法はクリーンなものであるので分割後種々の方面に利用できる。今後は応用的研究をすすめると同時に、光学分割機構の理論化を多方面から検討したいと考える。
|