研究分担者 |
渡辺 藤雄 名古屋大学, 工学部, 教務員 (70109312)
板谷 義紀 名古屋大学, 工学部, 助手 (50176278)
伊藤 〓三 (伊藤 けい三) 名古屋大学, 工学部, 助手 (70023091)
松田 仁樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (80115633)
新井 紀男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40089842)
|
研究概要 |
高効率熱エネルギー輸送の一方法として, 化学熱輸送方式と輻射熱輸送方式とを組合わせた高温熱輸送法を提案し, 第1段階としてSO_2/SO_3系可逆熱化学反応を用いる化学熱輸送法の実証実験を行った. 実験は試作密閉系気体循環反応装置内を, 種々の組成のSO_2, SO_3, O_2混合ガスを循環ポンプによって連続循環させ, 発熱部ならびに吸熱部に充填されている白金触媒(Ptlwt%/α-Al_2O_3, 平均粒径3mm)層でのSO_2の酸化発熱ならびにSO_3脱酸素吸熱反応に伴う反応気体濃度変化ならびに温度変化に関する測定結果に基づいて本熱輸送法の基本的特性を検討した. なお, このときの実験条件は, 吸熱部, 発熱部初期設定温度;1190Kおよび693K, 反応気体組成;SO_2/O_2=12/88〜21/79, 反応気体循環速度;1.55×10^<-1>〜3.75×10^<-1>kgm^<-2>s^<-1>であった. 以上の実験結果より, 本実験範囲内では, いずれの条件に対してもSO_2/SO_3系反応は継続的に起こり, 熱輸送が連続的に行えることが確認された. このとき発熱部, 吸熱部触媒層においては, いずれもほぼ反応平衡量に相当する反応気体濃度変化が認められた. また, 触媒層は反応に伴って, 入口近傍で極大(SO_2の酸化)および極小(SO_3の分解)温度を示し, これらの層温度はSO_2, SO_3濃度ならびに反応気体循環速度の増加とともに増大することが認められた. さらに, 得られた結果は既往のSO_2酸化ならびにSO_3の脱酸素反応速度式をもとに, 理論解析で求めた結果によって比較的良く説明することができ, 本熱輸送システムに対する計算機シミュレーターが開発できた. なお, 輻射熱輸送方式に対しては, 現在, 熱・光変換による光輸送パイプ方式を検討中であり, 光ファイバー, 内部鏡面加工を施したガラス管などを用いてレーザー, 赤外光の輸送特性を光学的に測定している状況にある.
|