研究分担者 |
高橋 由明 新潟大学, 医学部, 助手 (60115045)
小谷 昌司 新潟大学, 医学部, 講師 (60018702)
寺尾 和夫 新潟県立女子短期大学, 教授 (30077474)
緒方 規短雄 新潟大学, 医学部, 名誉教授 (00018285)
OGATA Kikuo Niigata University Aonorary Professer (30154537)
桑野 裕 新潟大学, 医学部, 助手 (70178151)
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研究概要 |
ラット肝80Sリボソームを蛋白架橋剤で処理するとL5はS4, S25と架橋した. この結果と以前の報告から, 5SRNPは大小亜粒子の境界面に存在し蛋白合成のP-siteを構成することが示唆された. タバコモザイクウィルスRNAのΩ断片をウサギ網状赤血球溶血系に加え開始複合体を形成させ, 紫外線照射後に開始AUGコドンと相互作用する蛋白を同定した. 40S複合体ではL5, S7, S10, S25とS29が, 80S複合体ではL5, S7, S25とS29がAUGと架橋した. この結果と蛋白架橋剤の結果をまとめると, これらの蛋白がまとまってリボソームのP-siteを構成し, mRNAの開始AUGコドンと相互作用して蛋白合成に機能していると推定される. さらに, 80S開始複合体をマイクロコッカルヌクレアーゼ消化しEDTA処理して5SRNPを遊離させると, その5SRNPに開始AUGを含むRNA断片が結合していた. これは, 5SRNPが開始AUGと強く相互作用していることを示唆する. ラット肝よりNative40S複合体を調整したところ, これが比重の異なる2種の画分からなり, 比重の大きい画分には5SRNAが結合し小さい画分には結合していないことが解った. Native40S複合体にL5の存在は確認できなかったがこの, 40S亜粒子-5SRNA複合体の意義について検討中である. ラットのL5蛋白を精製しN末端のアミノ酸配列を決め, 推定されるmRNA塩基配列よりDNAプローブを合成した. これを用いてcDNAをクローニングし, その塩基配列を決定し, それよりL5蛋白のアミノ酸配列を推定した. L5蛋白は296残基のアミノ酸よりなり, N末端部分とC末端部分に多くの塩基性アミノ酸残基を含んでいた. また, 5′側の非コード部分に10残基のアミノ酸よりなるオープンリーディングフレームがあり, そのフレームはL5のそれと一致していた. 推定L5のアミノ酸配列を他の生物の5SRNA結合蛋白である酵母のYL3やハロバクチリアのHL13と比較したところ, N末端部分でかなりの種縁性が認められた.
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