研究課題/領域番号 |
61470143
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 輝 (佐々木 輝捷) 札幌医科大学, がん研究所, 教授 (00045494)
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研究分担者 |
山田 恵子 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80045541)
阿部 晃 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70136927)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 糖脂質 / 移送タンパク質 / 遊離SH基 / 分子内ジスルフィド結合 / 細胞内局在部位 / グルコシルセラミド / 分子内S-S結合 / 糖脂質移送タンパン質 / ペプチド断片 / アミノ酸配列 / ウエスタンブロッテイング / 組織分布 / 糖脂質移送タンパク質 / 腎上皮細胞株 / 免疫組織化学 / 免疫アッセイ / ブロムシアン分解 |
研究概要 |
ブタ脳から精製した糖脂質移送タンパク質(GL-TP)は、見かけの分子量22Kの主成分(80%)と見かけの分子量21Kの小成分(15%)から成る。主成分は三個の遊離SH基を有し、少成分は一個の遊離SH基を有する。両者に共通して存在する一個のSH基は表在性であり、N-エチルマレイミド等により修飾を受ける。主成分に存在する残り二個のSH基が分子内S-S結合を形成したものが見かけの分子量21Kの少成分である。分子内S-S結合を有する分子型の方が、還元型のものよりも約2倍移送活性が高い事を示唆する結果が得られた。この活性増大は、移送中間体である糖脂質・GL-TP複合体が生成し易く成るためである。精製GL-TPを臭化シアン分解した後、得られたペプチドを精製し部分アミノ酸配列を決定した。この配列を基にブタ上皮株細胞PK(15)のmRNAからcDNAをクローニングしているが、未だ完了していない。精製ブタ脳GL-TPに対する特異抗体を作成した。この抗体を用いて免疫化学的に検索した所、ブタ脳GL-TPと免疫学的に交差し、糖脂質移送活性を有する分子量約2万のタンパク質を、PK(15)細胞、ラット脳、ヒト腎、マウス神経芽細胞腫、マウス色素親和性細胞腫PC12に検出する事が出来た。GL-TPは、殆んどすべての動物細胞に存在すると考えられる。PK(15)細胞を用いてGL-TPの細胞内局在部位を検討した結果、GL-TPは細胞質に存在するタンパク質である事が解った。GL-TPの細胞生物学的機能に関しては、近位ゴルジ膜の細胞質側で合成されたグルコシルセラミドが、糖鎖伸長反応の受容体として利用されるために中位・遠位ゴルジ・システルネに移送される過程にGL-TPが関与していると推定される。グルコシルセラミドの糖鎖の伸長反応には、ゴルジ小胞の内腔側に存在する糖転移酵素が関与しており、ゴルジ膜細胞質側で合成されたグルコシルセラミドの移送反応は糖脂質生合成の調節に重要である。
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