研究概要 |
1.新規多次元錯体の設計合成と構造解析 (1)ホフマンージアミノアルカン型包接体 : 芳香族ゲスト分子に対する包接選択性の基礎的データとして, 同一ホスト種における各種ゲスト包接体の構造変化ならびにジアミン鎖長の異なるホストに対する同一ゲスト包接体の構造変化を単結晶X線回折法により明らかにした. (2)テトラシアノニッケル酸塩系ホスト : 全く新しい3次元錯体構造をもち, 多様な包接選択性を示す「ニシキオリ型」包接体を合成し, シクロヘキサン包接体の結晶構造を明らかにした. (3)テトラシアノカドミウム酸塩系ホスト : 配位子とゲストの組み合わせによって, 表面修飾粘土鉱物型, ゼオライト型, あるいは包接水和物型に類似した多次元錯体ホストを開発し, それらの多様な包接機能を検証すると共に, 代表的包接体の結晶構造を解析した. 2.物性評価 多次元錯体ホストとして最も基本的なホフマン型系ホスト包接体の熱分析反応の解析, ゲスト分子配向状態の分子動力学計算を行い, 反応媒体としてのマクロ及びミクロ物性の評価を試みた. 3.分離挙動の評価 ホフマンージアメチルアミン型ホストにおけるオルト, メタ, パラキシレンならびにベンゼンの2-4元混合系に対するゲスト選択性を総括し, 錯体ホスト選択性発現を速度論的効果で説明した. 4.反応挙動の解析 ホフマンージメチルアミン型ホストに包接されたパラキシレンの5℃における脱メチル化によるベンゼンあるいはトルエンへの変化過程に対する共存化学種の効果を検討した.
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