研究課題/領域番号 |
61480005
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川那部 浩哉 京都大学, 理学部, 教授 (60025286)
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研究分担者 |
重定 南奈子 京都大学, 理学部, 助手 (70025443)
村上 興正 京都大学, 理学部, 助手 (30025415)
滝 明夫 京都大学, 理学部, 助手 (30025340)
安部 琢哉 京都大学, 理学部, 助教授 (00045030)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 動物社会 / 社会関係 / 社会構造 / 種内関係 / 種間関係 / 種間社会 / 競争 / 協同 |
研究概要 |
冬期形成されるカラ類混群では、比較的安定した構成員からなるエナガ群を中心にこれが主導性を持ちシジュウカラ・ヤマガラ等が離合集散するものが主体であったが、時折り2羽単位のエナガがこれから離脱し、シジュウカラ等の他の混群に合流し、この場合先導性を失い追従的になり、混群構成過程と主構成種のちがいによる行動の変化がみられた。 またエビ食性カワスズメ科魚類の混群では、核集団となる2種群が、他の3種の行動域に進行した場合、各3種ともこれに合流し、行動域から出ると群れを離脱し、いずれの種も群れ参加時の方が単独時より採餌頻度が高まっており、異種による摂食の社会的促進が認められた。また底質着生卵を隣接して共同防衛する2種では、一方の親魚の除去実験の結果他方の捕食者撃退頻度が高まるのがみられ、異種による共同防衛と一方の他方への部分的依存性が認められた。 林床性7種のアリ間では、体の大きさ・行動範囲・他種に対する排他性・容認性が複合した同一生活形社会内の階層構造とでもいうものが認められた。 岩礁性潮間帯に生息する藻類食性2種のカサガイは、幼貝定着域を同じくし競争的関係にあるが、一方の親貝に定住型と社会的劣位にある移住型があり、しかもこの移住型個体による食害域の拡大があることにより、2種の幼貝が摂食する他種の藻類を繁茂させることにより定着域を増大されていた。すなわち一方の劣位個体の存在が、2種幼貝の競争を軽減させていることが明らかとなった。 以上のように、種内にみられる排他性と共同共調性がいくつかの種群の個体と個体という具体的な関係で確認された。
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