研究課題/領域番号 |
61480050
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
大内 成志 近畿大学, 農学部, 教授 (70026433)
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研究分担者 |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 助教授 (00150805)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | オオムギ / タバコ / 重複感染 / 援助効果 / 干渉効果 / 顕微注入法 / BSMV;TMV / BSMV / TMV-OM / TMV-LIIA / 螢光抗体法 / TMV / 援助ウイルス / 顕微注射接種 |
研究概要 |
植物細胞におけるウイルス間相補増殖並びに干渉効果の機構を明らかにする目的で、タバコ及びオオムギを宿主とし、諸種ウイルスの相互作用、特にウイルス間援助効果について研究した。先ず、オオムギ葉にTMVとBSMVを単独または混合接種したところ、TMVは単独接種では増殖しないが、BSMVと混合接種した場合には増殖移行することが明らかとなった。即ち、TMVは混合接種した第1葉に限らず上葉においても増殖し、免疫沈澱法で定量したところ、若い葉において増殖が多かった。BSMV存在下におけるTMVの上位葉増殖はELISA法によっても確認された。しかし、CMV,CGMMV,CyMVなどはBSMV共存下でも増殖しなかった。TMVはオオムギ葉プロトプラストにおいてもBSMV共存下で増殖することが蛍光抗体法によって確認されたので、BSMVの援助効果はTMVの移行に限らず、その増殖促進によるものと考えられた。同様の実験をタバコ葉及びそのプロトプラストを用いて行ったが、BSMVはTMVと混合接種した場合には、両ウイルスともに増殖が促進された。次にBSMVのRNA1,2,3のいずれにTMV増殖援助の情報がコードされているかを知るため、それぞれのRNAとTMVを混合接種したところRNA2に援助効果が認められた。子葉 細胞への顕微注射接種ではBSMV1:TMV99の混合比でもTMVは増殖しTMVの干渉効果は認められなかった。この援助効果がどのような分子機序によるものかを知るため、BSMV感染葉から感染特異蛋白を分離し、TMVと混合して顕微注射接種したが、一定の結果は得られなかった。また、感染葉からレプリカーゼ活性をもつ蛋白画分は得たが、精製するに至らなかった。これらの結果から、BSMVのTMV増殖援助効果はTMVとPVXのように相補的ではなく、一方的な特異的分子機序によると考えられる。今後は、植物細胞のウイルス増殖抑制機構と援助ウイルスによるその解除機構について研究することとする。
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