研究課題/領域番号 |
61480053
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 克己 (1988) 九州大学, 農学部, 教授 (40038261)
坂口 文吾 (1986-1987) 九州大学, 農学部, 教授 (30038161)
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研究分担者 |
河口 豊 九州大学, 農学部, 助手 (80038306)
藤井 博 九州大学, 農学部, 助教授 (10038268)
古賀 克己 九州大学, 農学部, 助教授 (40038261)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | カイコ / 卵細胞構築 / 胚発生分化 / 卵殼コリオン蛋白質 / カロチノイド結合蛋白質 / 包卵皮膜細胞 / 卵黄蛋白質 / 小形卵突然変異 / 卵殻コリオン蛋白質 / アルドラーゼアイソザイム / 幼虫型雌蛋白質 / 翻訳活性 / 組織透過性 / 卵形成蛋白質 |
研究概要 |
カイコとクワコの細胞分化と発生における遺伝子発現の調節機作を明らかにすることを目標として研究を行った。このため、卵形成・胚発生および後発生に関連する各種突然変異体に着目し、その発現を追求した。まず、カイコおよびクワコの卵殼の形態を解析したところ、特に外層において両種は著しく異なっていた。さらに卵殼蛋白質では外層を構成する蛋白質においてカイコとクワコでは顕著な差異が観察された。かくして、卵殼の高次微細構造構築とその構成蛋白質との間に一定の対応関係があることが、カイコとクワコの比較ににより初めて明らかとなった。また、DNAをサザンブロッティング法で比較したところ、コリオン遺伝子にも両者の間に相違がみられた。なお、コリオン遺伝子の変異は部域によって異なることをも見出した。今後は遺伝子の差次的進化機構および遺伝子発現を支配するプロモーター部位の検討が重要課題であろう。 次に、カロチノイドを中腸内腔から体液に輸送する役目を持つ遺伝子産物がカイコ幼虫で初めて明らかにされ、生命現象の中心課題の一つである膜の透過性の遺伝子支配についての研究系として、カロチノイド結合蛋白質の合成、代謝に対する興味がより深まった。同蛋白質が中腸にも存在すること、また、この遺伝子の突然変異である白血系においてもカロチノイド結合蛋白質と同一の分子が存在することを突き止めた。以上から、標的器官中腸においてカロチノイドを結合蛋白質に積み込む機構があることが確実であり、関連遺伝子の機能を説明する重要な知見が得られている。 さらにまた、卵の形と大きさを支配する突然変異系統の特徴的形質は蛹後期における包卵皮膜細胞機能の形状および卵黄蛋白質蓄積機能によって決定されていることを見出した。これらにより卵形成という複雑な現象の遺伝子支配に関する一連の知見が蓄積された。
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