研究課題/領域番号 |
61480061
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 和夫 東京大学, 農学部, 助教授 (80162931)
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研究分担者 |
紙谷 智彦 新潟大学, 農学部, 助手 (40152855)
福田 健二 東京大学, 農学部, 助手 (30208954)
梶 幹男 東京大学, 農学部附属演習林, 助教授 (00152645)
伊藤 進一郎 東京大学, 農学部, 助手 (90092139)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヒノキ漏脂病 / アテ(ヒノキアスナロ)漏脂病 / 発生環境解析 / 環境ストレス / 水分生理状態 / 病原菌 / アイソザイム分析 / 発生環境解折 / 漏脂病発生機作 / ヒノキ・アテ漏脂病 / 発生環境 / 水ポテンシャル / 樹脂異常滲出機作 |
研究概要 |
1.ヒノキの生育環境および漏脂性病害の発生環境について、北陸地方において実態調査した結果、次のことが明らかにされた。 (1)ヒノキは冬季少雪型の太平洋型気候の支配する地域にその分布の中心をもち、その生育には最深積雪量、立地環境、雪質などが関連する。 (2)ヒノキおよびヒノキアスナロの漏脂病被害の疾患部は、1.5m(1m〜2m)付近に最も多い傾向が認められたが、樹幹の高い部位にも発生する。 (3)漏脂病被害は、病徴的にみて、初期病徴と考えられる樹脂流出型および枝付型、さらにこれらの病徴の進展した漏脂型、溝腐型、また凍裂から生じたと考えられる凍裂型などに類型化される。 (4)病徴の推移に伴う疾患部の発生部位と、積雪量および温度との関係を明らかにするため、樹幹付近の温度を融雪期を中心として地上高別に測定した結果、積雪下ではヒノキ樹幹は温度変化に対する保護作用が認められた。その詳細は、現在も継続して測定中であり、今後に残された。 2.ヒノキの環境ストレスに対する特性およびヒノキの漏脂性病害の発生機序について、次のことが明らかにされた。 (1)漏脂病罹病木について水ポテンシャルを指標として水分生理状態を測定した結果、一定の傾向は認められなかった。 (2)漏脂病罹病木において樹幹より樹脂が異常に流出する現象は、初期病徴として内樹皮内に傷害樹脂道が異常に形成されることに起因する。 (3)漏脂病患部からSarea resinaeとPezicula lividaが広く認められ、このような病原菌は病徴の進展に伴って生ずるものと推測される。 (4)漏脂病感受性とヒノキの遺伝的変異について、9酵素のアイソザイム分析を行った結果、3つの酵素について興味ある結果が得られた。その詳細については継続して検討中である。
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