研究課題/領域番号 |
61480086
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊沢 久夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (50072351)
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研究分担者 |
児玉 洋 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (20091449)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | サケ科魚類 / Vibrio Anguillarum / Aeromonas Salmonicida / マクロファージ / 化学発光 / C反応性蛋白 / 補体活性化 / 細菌内毒素 / 防御免疫機構 / Vibrio anguillarum / 魚類のビブリオ病 / エンドトキシン |
研究概要 |
サケ科魚類の病原細菌であるVibrio anguillarumとAeromonas salmonicidaに対するニジマスの防御免疫機構を検討した。 1.マクロファージ(Mφ)の活性化機構と免疫防御:ニジマスにおける抗体産生と感染防御との関連を検討したところ、死菌で免疫したニジマスは強毒菌の攻撃に耐過したが、感染防御と抗体価との間に相関は見られなかった。一方、V.auguillarum生菌は腹腔Mφに強い化学発光(CL)反応を起こさせるのに対し(Mφ活性化)、死菌のそれは弱かった。死菌で免疫したMφは、免疫後7日からCL反応の上昇を示し、この時点でニジマスを生菌攻撃するとそのほとんどが耐過した。さらに、次項に述べるニジマスCRPは、Mφの食作用を増強させた。 2.Cー反応性蛋白の産生機構と、宿主の防御機構におけるCー反応性蛋白の役割:まずニジマスCRPを精製し、その理化学性状を明らかにした。細菌感染ニジマスにともない、血清中CRP量は顕著に上昇した。CRPはニジマス補体の消費量を増大(補体を活性化)させた。CRPを補体とともに培養液中に加えると、in vitroにおける菌の増殖が抑制された。さらに、水温を上昇させるなどして魚にストレスを与えた場合にも、顕著なCRP産生を見た。 3.細菌内毒素に対するニジマスの低抗性機構:合成発色基質を利用した細菌内毒素微量定量法を用いて血清中の内毒素量を測定したところ、哺乳動物と比較して高い濃度の内毒素が検出された。内毒素をニジマスに接種すると、血清中内毒素濃度量は顕著に上昇し、しかも長期間検出されたが、魚は臨床的に全く異常を示さず、ニジマスはマウスに比べ100倍以上の抵抗性を有することが明らかとなった。
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