研究課題/領域番号 |
61480090
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
浜名 克己 (濱名 克己) 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
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研究分担者 |
松元 光春 鹿児島大学, 農学部, 助手 (30157383)
望月 雅美 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90157834)
西尾 晃 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90133181)
清水 孜 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50072921)
河野 猪三郎 鹿児島大学, 農学部, 教授 (60041604)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 先天異常 / 子牛 / Chuzanウイルス病 / アカバネ病 / 出血性素因 / 致死性皮膚異常 / 水無脳症 / 骨格系異常 / 関節弯曲症 / 心奇形 / クロルテトラサイクリン / 鉛 / 小脳形成不全 / チュウザンウィルス |
研究概要 |
1985年11月から1986年4月にかけて、九州各地に2000例以上の新生子牛の異常が発生した。鹿児島県がもっとも多く、1,677例に達したが、鹿児島大学ではそのうち211例を収集し、発生状況、臨床検査、病理学的検査を実施した。 品種別ではほとんどが黒毛和種であり、性別に差はなく、初産から13産の全産次にわたって発生した。出生時は一般に虚弱で起立不能であり、自力の吸乳も不能である。多くは数時間後に起立するが、自力吸乳はまったく不能で、いつまでも看護を要した。持続的な起立不能も見られ、後弓反張、遊泳運動、痙攣、眼球振盪などの神経症状も多く認められた。歩行可能な場合も無目的な旋回運動が主で、多くは盲目であった。倍検では水無脳症または重度の側脳室拡張、および小脳形成不全が特徴であった。本病はその後、家畜衛生試験場九州支場により、Chuzanウイルス病と確定された。 1987年は1年間に53例が収集されたが、骨格系、循環器系、中枢神経系などの異常が散発し、アカバネやChuzanの明白な異常は発生しなかった。 1988年には低産次の牛を中心に、アカバネ病の中規模の発生が見られた。しかし今回の特徴は、従来の当地方における発生(12月〜5月)より時期が3月〜6月へとずれたこと、間接弯曲症の前徴がなかったこと、ホルスタイン種が相対的に多かったこと、小脳形成不全の併発もかなり見られたことなどであり、従来のアカバネ病とやや様相が違っていた。 また研究期間中に、1972年から1974年にかけて宮崎県の一地域に多発した、遺伝性出血性素因が推測された黒毛和種、および1980年から1982年にかけて鹿児島県内に多発した遺伝性致死性皮膚短縮毛奇形の黒毛和種に関する報告がとりまとめられた。それぞれ同一の種雄牛に由来したもので、著者らの指摘によりいずれも淘汰されたが、劣性遺伝のため完全な排除はなされず、現在も散発的に発生が続いている。
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