研究課題/領域番号 |
61480115
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (30012660)
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研究分担者 |
斉藤 亜紀良 (斉藤 亜記良) 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40137708)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 非アドレナリン非コリン作動性神経 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP) / CGRP受容体 / アデニレートシクラーゼ / 心房筋 / 冠血管 / 腸管膜動脈 / 血管拡張神経内皮細胞 / エンドセリン / サイクリックAMP / 冠動脈 / 脳底動脈 / 内皮細胞 / 非アドレナリン非コリン作動性(NANC)神経 / カプサイシン / 陽性変時変力作用 / アデニルシクラーゼ / 神経ペプチド |
研究概要 |
我々はラットやモルモットの摘出心房筋標本に於て経壁的神経刺激方法を新たに開発し、心促進性の非アドレナリン非コリン作動性神経が存在することを発見し、その化学伝達物質がカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)であることを見出しだ(1)。CGRPは各種血管にも作用し、血管平滑筋を直接拡張させる。ブタの摘出冠動脈の螺旋条片で調べたところでは、CGRPは従来知られている物質の内では最も強い血管拡張作用を示した(2)。心房筋層や冠血管周囲にかなり密にCGRP含有神経が走行するのが認められ、この神経は冠血流量や心筋収縮の生理的調節に何らかの役割を果たしているものと考えられる。CGRPによる心筋の収縮増大や血管拡張は、アデニレートシクラーゼの活性化に基づく細胞内cAMP濃度の上昇によるものと考えられる(2、3)。ブタの冠血管や心室筋からCGRPに特異的に結合する分子量7万及び12万の蛋白(受容体)を可溶化して精製し、その性質を調べたところ、これは既知のペプチド類とは殆ど相互作用を示さず、CGRPに選択的かつ高親和性のものであった(K_D値:5pM)。従って、CGRPはそれ自体の特異的受容体に結合し、(おそらくGTPー結合蛋白を介して)アデニレートシクラーゼを活性化し、cAMP濃度を上昇させるものと思われる(4)。ラットの腸管膜動脈潅流標本に於て、明確な血管拡張性神経が存在すること、その化学伝達物質がCGRPであることを初めて見出した(5)。最近我々はブタ大動脈内皮細胞の培養液中から強力な血管収縮作用をもったペプチド、エンドセリンを単離精製、構造決定した。エンドセリンは既知の内因性物質とは全く性質の異なるものであり(6)、強力で持続的な血管収縮を惹起し、一方CGRPも強い血管拡張作用を示すことより、神経や内皮細胞による循環系の生理や薬物感受性制御機構には更に複雑な展開が予想される。
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