研究課題/領域番号 |
61480142
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
橋本 一 (橋本.一 ハジメ) 群馬大学, 医学部, 教授 (90008235)
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研究分担者 |
池 康嘉 群馬大学, 医学部, 講師 (60125820)
伊予部 志津子 群馬大学, 医学部, 助教授 (90008318)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 緑膿菌 / ゲンタミシン耐性 / 新キノロン耐性 / 伝達性プラスミド / 非伝達性プラスミド / 染色体性耐体 / 外膜タンパク / 伝達性プラスシド / 染色体性耐性 / 血清型 / ファージ型 / セラチア / 腸球菌 / 耐性獲得 / 外膜透過性 / ノルフロキサシン / フェロモン / Tn2001 |
研究概要 |
本研究は日和見感染菌の代表である緑膿菌と、腸球菌について、それぞれ臨床分離株385株、97株を用い種々の生物型で細分類し、薬剤耐性を中心に遺伝学的解析を行ったものである。緑膿菌では23種の薬剤に対する耐性の有無を調べ、いづれの薬剤かに耐性の90株について血清型とファージ型を調べた。ゲンタミシン(GM)耐性株が血清型との関連が高く、プラスミド型も加えて調べると、1984年分離の9株はすべて血清型I型。ファージ型型別不能、耐性型はサルファ剤(SA)、ストレプトマイシン(SM)、カルベニシリン(CBPC)をも伴う4剤耐性型で、これらはすべて22.5〜22.6Kbのミニプラスミドにより支配されていた。これらの株の検体の種類と由来診療科はそれぞれ違うに拘らず、これらは同一菌株の院内感染によると推定された。このI型GM耐性株は、85年2株、86年、87年にも1株ずつあるので、感染原が細々ながら存在していることになる。1985年より伝達性のRプラスミドによる多剤耐性株が出現し、同一プラスミドが86年87年も続いたが、宿主菌に異る血清型があリンの場合はプラスミドの院内感染と言える。 薬剤の多用による耐性菌の出現は新キノロン剤に明らかで、ノルフロキサシン(NFLX)を例にとると、84年分離株では一峯性であったMIC分布曲線が、85年からMICが少しづつ高くなってゆく変異株が分離されて来ており、87年には高度耐性菌も出現した。これらの耐性菌は宿主染色体の突然変異により生ずるものであり、感受性菌を用いて耐性菌を選択するとキノロン系薬剤にのみ耐性値が上昇するDNA合成酵素変異株の他に、βラクタムやアミノグリコシド耐性等種々の薬剤耐性にも同時に変化を与える外膜透過性変異株が種々得られた。後者の場合外膜タンパクに欠損新生が種々みられた。 腸球菌の場合には多剤耐性に加えて、病原性因子の一つである溶血性遺伝子の同時接合伝達が多くみられた。
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